行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

今日から「有言実行の人」になれる目標設定のコツとは?

目標を立てて心機一転、「頑張ろう!」という気になるものの実際には行動しない。しても数日程度で止めてしまう。過去を振り返ると、どんな目標を立てたかすら忘れてしまっている・・・。

割と多くの方がそんな体験をしていると思います。せっかく目標を立てたのだから、有言実行な「行動できる人」でありたいですよね。

実は目標設定のやり方に「ある視点」を持ってくると効果的です。

その視点とは「今日、有効な行動を実行するための手段として目標を使う」というもの。行動が目的で、目標が手段です。たぶん、通常はこれが逆です。

どんなに素晴らしい目標を立てても、どんなにワクワクする目標を立てても、結局行動しないのでは意味がありません。

今回お伝えするものは、「行動を変えたり、促したりするのに役立つ目標の立て方」なのです。行動分析学の理論に沿った、有言実行で行動するための目標設定法です。

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目標の役割を勘違いしているから役に立たない目標を立てる

目標についての苦い経験

収入目標を一度も達成したことがない

僕にとって挫折経験の多い目標の1つが「収入」を目標にしたものです。記憶を辿る限り、一度も達成せずに止めてしまっています。商品を作ってメルマガやブログで告知したものの、期待した反応が殆どなくて続けることができませんでした。

それ以来、収入についての目標はあまり立てなくなりましたし、立てるにしても「達成するのは、まぁ、無理だろうなぁ」なんて思いながらやってたりします。

少し成果が出ると止めてしまうダイエット

ある程度の成果は出るけど、目標を達成する前に止めてしまうこともあります。ダイエットです。

体重が増えてきて、「さすがにヤバイだろう・・・」と思い、ダイエットをスタートさせたこと数度。実は割と成果が出ています。数kgの減量であれば、毎回概ね実現しています。

しかし、目標として掲げているのは肥満からの脱出であり、そのためには10kg以上痩せないといけません。出だしは順調なくせに、そのまま続ければおそらく達成できるはずなのに、数kg痩せたところで止めてしまうのです。

中途半端に成果が出て終わり。また太ってきたら痩せようと試みる。この繰り返しです。身体にも悪そうですよね。

期間限定で頑張るのは割と得意らしい・・・

ちなみに達成できたことのある目標もいくつかあります。成果を出す目標ではなく、「この基準の行動を実行しよう」という目標。僕は行動目標と呼んでいます。

例えば、「ブログを90日間、毎日更新しよう」等。やればできる目標です。こういうのは何度も達成したことがあります。

幾つかエピソードをあげてみましたが、本記事で考えてみたいのは「行動につながる、まはた継続しやすくなる目標設定」です。どのように目標を立てれば、その後の行動が促されやすいのかを考察し、方針を示します。

目標は何のためにある?

目標のメリット?:計画を立てやすくなる

僕たちはなぜ目標を立てるのでしょうか。目標を立てるとどんな良いことがあるのでしょうか。一般的な解釈の1つは、「計画が立てられるから」です。このメリットは一理あります。

旅行に喩えてみると分かりやすいですよね。目的地があって、日取りが決まっているから、そこまでどんな手段で移動するのか、どこで宿泊するのか、現地でどう楽しむのか、どのように帰ってくるのか等を決めることができます。ゴールが設定されているからこそ、逆算で行動の計画を立てることができます。

ダイエットでも同じでしょうか。単に体重を減らしたいのか、それとも体脂肪率を優先して減らしたいのか、筋肉を付けて身体のラインをかっこよくしたいのか。ゴールが変われば、それにあった適切な計画もまた変わります。

欲しいゴールが明確になればなるほど、行動の方針も明確になるわけです。だからこそ、目標を立てた方がいい、ということになります。

目標のメリット?:モチベーションが上がる、ワクワクする

もう一つ、考えられる目標の一般的な効果として、モチベーションを高めたり、ワクワク感を味わうというものがあります。目標を持つことによって日常にハリが出て、生き生きと過ごせる、というものです。

確かにこれも目標のメリット一つだと思います。目標もなくダラダラと過ごしている時よりも、達成したい目標があって頑張っていた時の方が、何となく充実感があるような気がしますよね。

でも、結局行動できないんですよね

さてさて、そのように大きなメリットがあるように思える目標の設定。しかし、目標を設定しても思うように行動につながらないことがあります。ワクワクしているはずなのに、エクセレントな行動計画があるのに、なぜか行動できません。

目標を立てただけで放置したり、途中で放り投げたりするのは何故でしょうか。そこに「目標設定の仕方」はどう関係しているのでしょうか。少しずつ解き明かしていきます。

目標は「今日の行動」のためにある

行動につながらない目標に意味はあるのか?

一般的に、目標は将来の欲しい結果のために立てます。欲しい結果があるから、目標を立てて、逆算で計画をつくり、ワクワクしながら行動する。結果のために、結果の実現のために行動する、という考え方です。

しかし、この記事では目標の役割を少し変えてみることにします。何故なら焦点を当てたいのは「行動」だからです。どんなに素晴らしい目標を立てても、それが行動を促したり、変えたりするものになっていないのだとしたら、果たして目標を立てる意味はあるのでしょうか。

今日、有効な行動を実行するための手段としての目標

色々意見はあるかもしれませんが、ここでは「行動に影響を与えない目標に意味はない」と断言します。

本記事における目標の役割は明確です。僕たちが「今日、有効な行動を実行するための手段」として目標を使う。行動が目的であり、目標が手段と考えます。一般的な考え方とは主従が逆転しています。

だからこそ、実際に行動に影響を与えない目標には意味がありません。手段としての質が低いと言わざるを得ません。

目標のおかげでチャレンジできる

目標があることで、自分の関心に沿ってチャレンジできる。チャレンジを繰り返せる。そのために目標という手段を活用します。

例えば、ブログのPV目標があることで、より短い時間で、もっと質の高い記事を書くことにチャレンジできるようになれば、その目標には価値があります。

目標があることで、いまの基準を引き上げる必要があります。自分の限界を伸ばすことができます。ここが欠かすことのできない、重要なポイントです。

行動につながらない目標の立て方

目標を「行動を変える、基準を引き上げるための手段」として考えると、役に立たない目標の姿も見えてきます。

曖昧な目標には何の意味もない

単なるスローガンでは行動できない

役に立たない目標その1は「曖昧な目標」です。曖昧な目標は行動につながらず、殆ど役に立たないのですが、結構やってしまいがちです。

例を使って考えてみましょう。例えばダイエットで「今年こそ痩せる!」という目標を立てたとしましょう。この目標はかなり曖昧です。痩せたいという意気込みは分かりますが、具体的に行動に落とし込むのが難しく、単なるスローガンに終わってしまいそうです。

具体的な目標とはどんなものか

具体的な表現に修正するなら、「体重65kg、体脂肪率15%を達成する」でもいいですし、「3年前に買ったジーンズがはけるようになる」でもいいです。どちらも最初に比べれば具体的ですよね。どんな方針で行動すればいいかも、何となく見えてきそうな気がします。

他にも「ブログのアクセスを増やす!」よりも、「ブログを月10万PVにして、広告収入で月3万円を得る」だとか、「ブログを月3万PVにして、1人当たりの平均滞在時間を5分以上にする」の方が、実現したいことが具体的にイメージできます。

気分が良くなるだけでは意味がない

曖昧な目標というのは口当たりがいいのです。気持ちがこもっているような感じがして、気分が良くなるんですね。でも、それだけです。

抽象的に表現すれば細かいことを考えずにすみます。細かいことを考えないということは、現実をみないということです。現状を検証せずに済むわけです。気持ちいいんです。 でも、行動にはつながりません。意味のない目標です。

挫折が約束された目標

塵も積もれば山となる型の目標

次にご紹介するのは「挫折が約束された目標」です。悲しいですね。

挫折が約束された目標の一つは、「塵も積もれば山となる型」の目標です。塵も積もれば山となる型というのは、欲しい成果を得るためには、認識できなくらいの小さな変化をたくさん積み重ねる必要があるというもの。

例えば、「文章力を磨く」といった繰り返しの練習や実践が求められるものが該当します。文章力のような技術・スキルは、積み重ねの果てにようやく成長を実感できるようなもの。

経験的にも何となく分かっていただけるのではないかと思いますが、こういった積み重ねが求められるような目標は、途中で挫折しやすいのです。

天災は忘れた頃にやってくる型の目標

挫折が約束された目標その2は、「天災は忘れた頃にやってくる型」です。今度は確率の問題になります。試しても試しても、滅多に成果が出ないような目標は、やはり挫折しやすいものだと言えるでしょう。

例えば、この記事の冒頭にあげたような、「自分の商品を売って収入を増やす」といったような目標はこのパターンに該当します。ちゃんと準備が整っていないと、どれだけ商品を告知したところで、申込み者は現れません。たまーにポツンと申込みが入る程度です。

始めたばかりのブログのアクセスも、これに近いかもしれませんね。一生懸命更新しても、なかなかアクセスが増えません。

このように成果が滅多に出ない状態は、やはり途中で挫折しやすいと言えます。

何の工夫もなく取り組めば、挫折は約束されたようなもの

「塵も積もれば山となる型」の目標や、「天災は忘れた頃にやってくる型」の目標に、何の工夫もなく取り組めば、挫折は約束されたようなものです。つまり、結果としてこれらの目標は行動に影響を与えないため、意味の無い目標となってしまいます。

しかし一方で難しいことに、僕たちが求める結果の殆どは、この2つのパターンに該当します。本記事でお伝えするような目標設定の工夫も当然ながら、加えて、目標を達成するプロセスの部分でも工夫が必要になるでしょう。達成プロセスのおける工夫については、下記の記事も読んでみてください。

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最初から失敗すると分かっている目標

無謀な目標は破綻した計画を生む

最後にご紹介するのは、「最初から失敗すると分かっている無謀な目標」です。何だか説明するまでもないような気もしてしまいますが、意外とこの手の目標を立ててしまうことがあります。

簡単にいえばハードルが高すぎるのです。ハードルが高すぎる目標は、破綻した計画へとつながります。

破綻した計画からは成功体験は生じない

例えば、1ヶ月で収入を月100万にするという目標だとして、現状が月15万で大した準備もできていないのだとしたら、明らかに無謀な目標です。現実的な計画など立てようがありません。最初から計画が破綻しているのです。

破綻した計画に沿って行動しても、成果を得る体験はほぼ生じません。行動しても求めている変化が得られない場合、僕たちの行動はすぐに止まってしまいます。

このような目標はチャレンジにすらなっていません。

理解不足が無謀な目標設定の原因

無謀な目標を立ててしまう原因は2つです。

1つは現実についての理解不足。先ほどの例でいえば、自分でビジネスを持って収益を上げるということへの理解が足りていません。現実がよく分かっていないので、何となく気合いと根性で頑張れば達成できるような気がしてしまうのです。

僕がプログラマー時代に知った表現ですが、この手の目標を揶揄する比喩として、「妊婦を10人連れてきても1ヶ月で子供は生まれない」というものがあります。人数を増やせば短期間に達成できるという安直な考え方への皮肉なのですが、これと似たようなことです。

欠乏すると急いで解消したくなる

無謀な目標を立ててしまうもう一つの原因は、欠乏によってコントロールできない欲求に振り回されるパターン。こちらの方が厄介かもしれません。

同じく先ほどの例に沿っていうなら、借金の支払いがあって今すぐにでもお金が必要なので、短期間に収入が増える目標を立ててしまう、というもの。お金が欠乏していてどうしようもないので、すぐに大きすぎる収入を求めることを止められないのです。

もちろん、目標を立てたところで叶いませんので、結局欠乏は解消しないのですが。この辺りについては、欠乏への理解を深めることが第一だと思います。下記の記事などを参考にしてみてください。

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有言実行の人になる目標の立て方

ここまで役に立たない目標設定について述べてきましたが、僕たちの関心は「行動につながる目標の立て方」だと思います。

目標が行動を促すただ1つの理由:目標と行動との一致

ヒトは「求めている変化が生じる」ので行動する

行動を促されやすくするには、絶対的に必要な条件があります。それは行動に伴って「求めている変化」が生じることです。求めている、変化、です。「求めている」と「変化」の2つの要素、どちらも必要です。

目標を立てることによって、行動に「求めている+変化」を追加することができるなら、その目標は行動に影響を与えることになります。本節ではまずは「変化」の部分についてお伝えします。

「目標と行動とが一致している」という変化

目標を立てることによって、「行動に伴う変化」を作り出すことは可能です。目標があれば、それに沿った行動を実行できた時、「目標に沿った行動が実行できている」という変化が生じるからです。ややこしい表現ですね。例を使いましょう。

あなたが毎日ブログを更新しているとします。ただ単にブログを書いているだけだと、「ブログを書く」という行為に伴って生じる変化は「ブログの記事が増える」のみです。

ここでブログを月10万PVにするという目標を持っているとしましょう。そうすると、「ブログを書く」という行為に伴って生じる変化として、「ブログの記事が増える」に加え、「月10万PVを目指す行動ができた」も現れます。

目標を持ったからこそ、記事を書くという行為は「目標に沿った行動である」と認識することができるようになるわけです。

ルール支配行動

僕たちの多くの行動が、この仕組みによって維持・実行されていたりします。ある未来を求め、その未来に沿った行動を実行していることを確認する。行動分析学でルール支配行動と呼ばれるものです。

単純なところだと、ピザを注文したり、夕飯のために買い物したりといった行為もこの原理に基づいたものです。ピザを注文するという行為は、ピザが届くという未来に沿った行為と認識できますし、スーパーでジャガイモや牛肉をカゴに入れるという行為は、カレーを作るという未来に沿った行為と認識できます。

目標と行動とを自然に関係づけよう

目標と行動との一致という変化こそが、目標が行動に影響を与える手段です。まずはここがないと話になりません。

行動と目標との一致という変化を生じさせるためには、目標の指し示す未来と行動とを関係づける必要があります。当たり前ですが、スーパーで買い物するという行為は、ピザが届くという未来とは関係づけることができません。目標と行動とを自然に関係づけられるかがポイントなのです。

成功体験と裏付けによって目標と行動を関係づける

成功体験があると、この関係づけは容易なのですが、新たな目標にチャレンジする場合は過去の経験だけでは難しいでしょう。この場合、裏付けのある思い込みを活用することをオススメします。

裏付けがあるというのは、信じられるだけの理由があるという意味です。論理的に考えて妥当であるとか、統計データが示しているからとか、尊敬しているあの人が言っていたからとか、何かを信じるための理由は人それぞれだと思います。それを上手く活用してください。

適切な知識や過去の経験から、目標と行動とを関係づけることができれば、行動に自然と「目標に沿った行為である」という変化が伴うようになります。

目標と行動とが一致するメリットを作れ

目標と行動との一致を「求める」ようになるには

行動が促されるために必要なのは、行動に伴って「求めている変化」が生じることです。変化だけではダメなのです。求めている、という部分も必要。

目標を持つことで得られる変化は「目標と行動とが一致する」というものでした。これが求めている変化となるためには、つまり「目標と行動との一致を求めている」ことが必要です。

何があれば、僕たちは「目標と行動との一致」を「求める」ようになるのでしょうか。

目標に表現されている成果や未来を求めているか?

目標と行動とが一致することにメリットを感じるのは、目標に表現されている成果や未来を「いま現在求めている」からです。

例えば欠乏に関連した目標を立てたなら、その目標の示す成果はほぼ自動的に「求めているもの」になります。お金が不足しているのであれば、収入が増える目標を立てると、「収入が増える」という未来は必然的に求めているものとなるでしょう。

であるならば、収入が増える未来と実際の行動とが一致することは「求めている変化」となります。

無謀な目標は、目標と行動との関係づけを失わせる

但しここで問題があります。意味のない目標について解説した際、欠乏があると無謀な目標を立ててしまいやすいと書きました。求めている未来ではあるけども、そもそも無謀な目標になってしまった場合、目標と行動との関係づけが成立しなくなります。

1ヶ月で月収を100万にするなんて目標を立てたとして、一体どんな行動が目標に一致するというのでしょうか。多くの行動は目標に沿ったものになりません。つまり、「目標に沿った行動が生じている」という変化が得られないのです。

この場合、当然、行動への影響力はゼロとなり、意味の無い目標となってしまいます。欠乏をベースとする場合は、扱いに注意が必要なのです。

成果をダイレクトに強調して「気になる目標」にする

また「求めている」を作るために、目標に表現された成果や未来が「意識の前面に来る」ように工夫するのも効果的です。意識の前面に来るとは、簡単にいうと「気になってしかたない目標」にする、ということです。

意識の前面に持ってくる方法は2つです。1つは、目標の示す成果をダイレクトに強調する方法。例えば、ブログのPVを増やそうとしているとき、「Googleの検索アルゴリズムが変わって、コツコツと質の高いコンテンツを書いてた人は今がチャンスらしい」といった情報が入ってきたなら、PVを増やすことについてより気になり始めるかもしれません。

付加的な変化によって「気になる目標」にする

もう1つの方法は付加的な変化を追加することです。良くあるのは誰か他の人に協力してもらう方法です。

例えば、会議で使う資料を一週間前倒しで作るという行動目標を設定した時、完成したタイミングで上司にレビューしてもらうよう約束したとしたら、一週間前倒しの行動目標はかなり意識の前面に来るはずです。

他にも汎用的で使いやすい「行動契約」というものもあります。行動契約とは、約束した目標を達成することができなかった場合、ペナルティを負うというもの。ペナルティの内容が十分に嫌悪的なものになっていれば、約束した目標のことが気になって仕方がないことでしょう。行動契約について詳しく知りたいなら下記の本をオススメします。

ヤル気の科学―行動経済学が教える成功の秘訣

ヤル気の科学―行動経済学が教える成功の秘訣

あるいは、下記の記事で行動契約を応用した「行動するための仕組み」について解説しています。

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行動に成果が伴うように設計する

小さくてもいいので明確な成果を伴わせる

目標設定で気にするべき最後のポイントです。

何度も書いていますが、行動が変わったり促されたりするのは、行動に伴って「求めている変化」が生じるからです。この変化には、成果そのものを得ることも含まれています。

行動には小さくてもいいので、明確な成果が伴うべきです。塵も積もれば山となる型のように1つ1つが認識できないくらい小さなものではなく、ある程度魅力的で明確な成果です。中間成果を小目標として設定するといいでしょう。

自分にできることを知れば、適切な行動目標が設定できる

その場合、注意が必要なのは、難易度の高い成果はなかなか達成することができないという点です。

成果のカギとなるのは多くの場合「行動の質と量」です。今の自分にどれだけのことができるのかを知っていなければ、適切なレベルの成果目標は設定できません。

もし成果目標を立ててもなかなか達成できそうにないようであれば、行動目標を設定するといいかもしれません。自分のスキル、能力の不足を自覚しているなら、是非試してみてください。

行動目標はやればできる目標であり、同時に目標の達成を通してスキルや能力を伸ばすことができるようなものです。

適切なレベルの成果目標や行動目標を、目標達成の過程に設置するようにプロセスを設計すると、行動に求める変化が伴いやすくなります。この辺りのプロセスの設計については、下記の記事も合わせてご覧いただくと良いかと思います。

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まとめ

目標 = 今日、有効な行動を実行するための手段

本記事ではまず、目標設定に関する勘違いについて説明しました。

一般的に、目標には計画を立てるためだとか、モチベーションを上げるためといったメリットがあると言われていますが、結局のところ行動につながらないのでは意味がありません。そのような目標設定では、ダメダメです。

目標は「今日、有効な行動を実行するため」の手段として使うのが実用的です。行動してナンボなのです。

行動につながらない意味の無い目標の立て方

次に、行動につながらない意味の無い目標の立て方を3つ紹介しました。

  1. 曖昧な目標
  2. 挫折が約束された目標
  3. 最初から失敗する目標

曖昧な目標は行動に落とし込めません。塵も積もれば山となる型であったり、天災は忘れた頃にやってくる型の目標は、行動しても変化が起きず挫折しやすいものになっています。また、無謀な目標を立てると最初から計画が破綻するため、行動してもまず上手くいきません。やはり行動が止まります。

以上の3つは、目標を立てる際に注意を払っておくといいでしょう。

目標と行動との一致を「求めている変化」にする

最後に、行動につながる目標の立て方をお伝えしました。

目標と行動とを関係づけることができれば、行動に伴って「目標に沿った行動が生じている」という変化を認識できます。まずはこれが必要です。

次にその変化が「求めるもの」であることが大切です。目標に表現された成果や未来が「求めるもの」になっていれば、「目標に沿った行動が生じる」という変化もまた「求めるもの」になります。 以上の2点を押さえると、目標を設定することで行動に伴って「求める変化」が生じることになります。比較的行動しやすい環境です。

目標を達成するプロセスの中に変化を組み込んでいく

加えて、行動に伴って明確な成果が得られるようにプロセスを工夫するといいでしょう。適切なレベルの中間成果を目標にしたり、行動の質や量を向上させるための行動目標を設定してみてください。

そうすると目標を達成するプロセスの途中途中に、行動に伴う変化が生じることになります。上手くプロセスを設計することができれば、更に行動しやすくなることでしょう。

以上が「今日、有効な行動を実行する」ことを目的とした目標の立て方でした。あなたが有言実行で行動する人になるために、少しでも役に立っていれば嬉しいです。