行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

仕事が予定通りに終わらないのは、計画の使い方が間違っているからかもしれない

Q.
段取りが悪くて仕事が時間無いに終わりません。自分なりに段取りしているのですが、予定通りに進みません。

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A.
計画通りに進むことを期待するのを止めましょう。走りながら作業時間についての情報を集め、計画を現実に合うよう都度修正してください。

解説:計画は仕事への理解が一番乏しい時に作ったものなので、ズレて当たり前。

人間、自分がこれからやる仕事にどれだけの時間がかかるかは、意外と分からないものです。ルーチンワークでもない限り、正確に予測するのは困難です。

例えばあることについて情報を集めて調査しなければならないとして、満足のいくレベルまで調査を進めるのに、どれくらいの時間が必要かは、実際にやってみないと分かりません。

僕たちはこれからやる作業にどれくらいの時間がかかるかを正確に知ることはできません。その前提で段取りを考えた方がいいでしょう。

 

仕事を円滑に進めるためには、当初の計画に固執してはいけません。計画や予定を立てるのは仕事に取りかかる前だと思いますが、取りかかる前というのは、その仕事についての情報が一番不足しています。よく分からないまま計画を立てても、そう上手くはいかないでしょう。

反対に仕事について一番理解しているのは、仕事を終えた直後です。仕事が終わった後なら、どれくらいの時間が必要だったか、かなり正確にいうことができるでしょう。

とはいえ、仕事が終わってから計画を立てても仕方がありません。だから、仕事を進めながら、それまでに得た仕事についての理解を使って、計画を実用的なものへと修正しましょう。

 

要は計画を立てるという行動を適切なものにするための、プロンプトを手に入れてください、ということなのです。無理矢理、行動分析学に繋げてみました。

プロンプトは適切に行動するための補助刺激です。

仕事に取りかかる前に使えるプロンプトの一つは、過去の作業時間の実績でしょう。似たような作業にどれくらいの時間がかかったか分かれば、今からやる作業に必要な時間の予測ができそうです。

そういったデータがまだ無いのであれば、少しずつでも蓄積しておくといいでしょう。

 

ただそれでも実際の作業時間は予測からズレるもの。今度は、実際に作業してみて分かった、その仕事のボリューム感や複雑さがプロンプトとして機能します。

例えば、当初3時間くらいで終わる作業だったが、いざ1時間作業を進めてみたところ、あと4時間はかかりそう・・・だとしたら、その時点で計画を残り4時間(Total5時間)に修正すべきです。

もちろん初めから正確に計画を立てられれば良いのですが、一番理解が乏しい時に立てた計画ですから、そうなるのはある程度仕方がないです。大切なは現実に合わせて計画や段取りを調整すること。

 

長くなってきたのでまとめます。

  1. 段取り通り、予定通りに仕事が進まないのは、当たり前。何故なら、その仕事について一番理解が乏しい時に立てた計画だから。
  2. 欠けている行動は「現実に合わせて計画を修正する」こと。当初の計画のままでは、終了時間もよく分からない。現実的でなくなった計画に固執する理由は、一欠片もない。
  3. 計画を修正するという行動が適切に機能するためのプロンプトとして、その時点で残作業時間を改めて見積もってみよう。

ということでした。