個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

周囲は残業しているのに定時に帰るスタイルを続けるべきか、止めるべきか問題

こんな風に仕事をしたい・・・という自分のペースやスタイルを持っている方もいるでしょう。僕もそのタイプです。しかし、時に自分のペースやスタイルを守ることに罪悪感みたいなものを感じることがあります。

自分のペースを崩して頑張れば周囲が助かったり喜んだりしてくれる。それが分かっているのに頑なに自分のペースを守り続けてもいいんだろうか・・・という悩み。

この問題には正解がありません。一つ言えることは、頑なに自分のペースを守り続けることも、いつもいつも周囲の要望に応え続けることも、どちらもあまり良い選択とは言えないということです。

この記事では、デッドラインを設けて、その範囲内であれば自由に選択すればいいし、デッドラインを超えるようであれば選択を変えた方がいい、ということを書いてみました。

f:id:h-yano:20170205210744j:plain

自分のペースを崩してでも頑張った方がいいのだろうか・・・?

自分のペースを守りたいが、迷いが生じる時もある

仕事をするのに快適かつパフォーマンスを維持しやすい「自分のペース」というものがあります。無理をすればその日のパフォーマンスは上がりますが、無理が続けば徐々に効率が悪くなり、パフォーマンスも低下します。そのことが分かっているし、そもそも無理をしたくないので、なるべくなら自分のペースで仕事がしたい、と。

しかし、実際に働いていれば、果たして自分のペースを守るだけでいいんだろうか、と迷いが生じてしまうこともあります。

例:自分だけ定時に帰り、周囲は残業している

自分の仕事をさっさと片付けて定時に帰るというスタイルだけど、プロジェクトが佳境を迎えていて周囲のメンバーは残業している。

残業している理由は、能力だとか、仕事の効率が悪いといったこともあるだろうし、単純に仕事量が多いということもあるでしょう。自分も残業して手伝えば、プロジェクトの進行に貢献できるだろうし、メンバーそれぞれも少しは楽になるかもしれない。こんなときどうすればいいか迷ってしまう。

例:そんなにやりたい仕事ではないけど、今月の収入が厳しい

独立して働いていると、生活費に直結する場面が出てくるのでもう少し生々しくなります。

今月は売上が少なくて厳しい。そんなとき「PCの使い方を教えてくれませんか?お金を支払いしますので」という依頼がきました。

個人事業主には様々な方がいるので、PCが苦手で困っている人もたくさんいます。本業とは違うけど、その依頼を受ければ今月の生活が少し楽になるなぁ・・・と頭をよぎります。しかし、経験上、本業と違う仕事を受け始めると、時間的に余裕がなくなって、本業がおろそかになるか身体を酷使するかのどちらかに・・・どうしたものか。

何を基準に判断すればいいのだろう・・・?

こんな風に仕事をする、という自分のペースやスタイルを迷い無く守れればいいのですが、周囲や自分の状況によって、それを崩した方がいいのだろうか・・・と悩んでしまうことがあります。こういうとき、どうすればいいのでしょうか。

あるいは周囲からの依頼・要望に負けて、よく自分のペースを崩してしまうことがある、という人もいるかもしれませんね。皆喜んでくれるから、ついつい依頼に応えてしまいます。

選択の積み重ねが作っている「現状」を評価しよう

どちらを選ぶのがいいかは、その時におかれた状況や文脈次第

自分のペースやスタイルを優先するのも、周囲の要望に応えるのも、どちらも間違っているわけではないと思います。一つ言えるのは、どちらかだけを頑なに選択し続けるのは、場合によってあまり機能的ではない判断になりそうです。

自分のペースを頑なに守るが故に、周囲が疲弊していき、集団としての機能性が落ちてしまうかもしれません。あるいは周囲との関係性に問題が生じるかもしれません。それ自体はあなたの責任ではありませんが、中長期的にみてあなたの現状にどう影響しているかを振り返ってみてもいいかもしれません。

あるいは、周囲の要望に応えつづけたがために、あなた自身が消耗してつぶれてしまったとしたら、それもやはり適切な判断だったとはいえません。その場では仕事が進んだり、喜んでもらえたりしたかもしれないけど、中長期的にみるとマイナスの方が大きくなってしまいます。

現状を評価して判断するための手がかりを得よう

この手の問題は正解がありません。どちらを選ぶかという選択の内容にはあまり意味がなく、その時におかれた状況や文脈を踏まえながら、より適切に判断する必要があるのです。

そこで判断の基準を得るために、ひとまず現在の状況を評価してみましょう。評価方法として、次の2つをご提案します。

  1. ライフホイールを書いて現在の状況を評価する
  2. 仕事内容の割合を評価する

ライフホイールで現在の人生の満足度を見える化してみる

ライフホイールとは人生を幾つかの領域に区切って、それぞれの満足度を自己採点してみるという方法です。ある部分の不満足が高いようだったら、その欠乏を回復させるために、多少ペースを崩してでも頑張ってみるのはありかもしれません。

f:id:h-yano:20170205211550p:plain

ライフホイールの詳細については下記の記事をご覧ください。

www.behavior-assist.jp

いま携わっている仕事の内容を評価してみる

ライフホイールを合わせて評価してもらいたいのが、現在の仕事の割合です。仕事は概ね次の4つに分類できます。

  1. ジョブとしての仕事。生活の糧や収入を得るための仕事です。
  2. キャリアとしての仕事。社会的評価を得たり、市場価値を高めるための仕事です。特定のスキルを伸ばすための仕事も含まれるかと思います。
  3. 天職としての仕事。使命感からやらざるを得ないと思えてしまう仕事です。
  4. 自己実現としての仕事。自分の強い興味や関心に沿った仕事です。

いま携わっている仕事は、どの仕事に該当するでしょうか。同時に複数のカテゴリに当てはまる場合もあるかもしれません。現在の仕事の割合を評価してみて、それとライフホイールとの関係性をみてみても良いでしょう。

それで今後の仕事について「こうしたい」というのがあれば、そちらの方へ向かう分にはある程度の頑張りが必要になるかもしれませんね。

デッドラインを超えない範囲で柔軟に対応しよう

ライフホイールや仕事の割合が、自分の選択を評価する手がかりになる

自分のペースやスタイルを守るか、それとも崩してでも周囲に応えるかは難しい問題です。先ほどのライフホイールや仕事の割合にしても、直接答えをくれるものではないでしょう。

しかし、ライフホイールや仕事の割合には、あなたがこれまで積み重ねてきた選択の中長期的な結果が現れているともいえます。もし満足できない評価になっているのであれば、自分のペースを守りすぎたのかもしれませんし、周囲の要望に応えすぎたのかもしれません。それはあくまで可能性の1つでしかありませんが、これまでの自分の選択を評価するための手かがりにはなります。

デッドラインを超えない範囲で好きに選択すればいい

自分のペースを守るか、それともペースを崩して周囲に応えるかは、デッドラインを意識しながら柔軟に対応すると良いと考えます。

僕たちは何かが欠乏すると、それに引きずられるように選択せざるを得なくなります。

例えば、金銭的に欠乏しているなら、お金を得るための選択を選ばざるを得なくなります。自分のペースがどうとか言っている場合ではなくなります。時間が欠乏してしまい目の前の仕事でいっぱいいっぱであれば、周囲の要望に応えたくても応えられなくなるでしょう。

欠乏について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

www.behavior-assist.jp

欠乏に嵌まってしまうと抜け出すのが大変ですので、そのずっと手前にデッドラインを引いておきましょう。自分のペースを守ったり、周囲に応えることでデッドラインを超えてしまうようであれば、その選択はちょっと見直した方がいいでしょう。

ライフホイールや仕事の割合を定期的にチェックしながら、自分なりのデッドラインを設定し、それを超えない範囲であれば自分のペースを守るもよし、周囲の期待に応えるもよし、です。

まとめ

本記事でお伝えしたことは次の3点です。

  1. 自分のペースやスタイルを守って仕事をするか、それともそれを崩してでも周囲の要望に応えるかは、その時におかれた状況・文脈を含めて考えないと判断できないし、それを踏まえても正解のない難しい問題。
  2. ライフホイールや仕事の割合で現在の状況を評価してみると、これまでの自分の選択の善し悪しをしるための手がかりになる。
  3. 欠乏に陥ってしまうと選択がそちらに流されてしまうので、欠乏よりずっと手前にデッドラインを設定しておき、それを超えない範囲であれば好きに選択しても問題ない。