個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

目標設定の極意は「考えること」ではなく「試すこと」にあり

Q.
頑張って考えてもスッキリと納得できる目標が立てられません。 自分が何を欲しいかよく分かっていないのかも・・・。

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A.
スムーズに目標が立てられないのであれば、あなたにはその分野についての経験が不足しています。いますぐ納得できるだけの目標を立てるのではなく、とりあえずの目標でOKとしてください。あなたに必要なのは経験を通して自分を理解することです。

解説:スムーズに目標が立てられないなら、自分の中を探るのは止めて経験を増やすための実験をしよう

本当に欲しい目標は自分の中に隠れている・・・は勘違い

立ててみた目標がいまいち納得できない場合、もっと良い目標があるはずだと一生懸命考えることになります。自分の中にある「本当に欲しいもの」を探り当てようと、時間と労力をかけて考え続けます。

しかし、ある程度考えても納得できるだけの目標が立てられないのなら、それ以上、自分の中を探っても無駄です。

ある程度の手間をかけてでも達成したいと思えるような目標は、そんなに時間をかけなくても設定することができるのです。まるで最初から答えが分かっているかのように、スムーズに目標が出てきます。

そうでない場合は、そもそも「自分の中に答えがない状態」なのです。いくら自分と向き合おうとも、あなたが納得できるだけの目標を見つけることはできないでしょう。探す場所を間違えているのです。

欲しいものは机上ではなく環境の中にある

あなたが何を欲しているかの答えは、あなたの中ではなく、あなたの外の「環境」にヒントがあります。

僕たち人間の行動は「自分と環境との相互作用」によって生じます。その相互作用の中で様々な体験をすることで、好きなことや嫌いなこと、得意なこと、苦手なこと等が形成されていきます。

環境との相互作用のことを「経験」と言い換えてもいいでしょう。目標を設定しようしている分野について、十分に経験があったり、あるいはその分野に応用可能な類似の経験があれば、どのような結果を欲しているかは、過去の経験を探っていくことで比較的簡単に見つかるでしょう。

しかし、もし未経験の分野であったり、未経験のレベルへのチャレンジについて目標を立てようとしているなら、過去の経験を参考にするのが難しくなります。

その場合でも世間にある情報を獲得することで、ある程度の目標は立てられるでしょう。ただ、その目標は経験による裏付けがないため、確信を持つことができません。

ですので、あなたに必要なのは納得できる目標を立てられるだけの、新たな経験を得ることなのです。

その目標の達人になるための実験を始めよう

現段階では目標に納得できなくても大丈夫です。その目標は「仮説」に過ぎません。この方向でいいような気がするけど・・・というレベルで十分なのです。

仮説なので「検証するための実験をする」くらいの心づもりで取り組んでみてください。実験を繰り返す中で、あなたの中に経験に基づく情報が蓄積されていきます。あなたにとって好ましい経験もあれば、避けたい経験も出てくるでしょう。それらの情報が、目標設定のための重要な手がかりとなります。

更にいえば、どんな目標を設定するかだけでなく、その目標を達成するために必要な行動やリソースといった情報も獲得できるでしょう。目標を達成できそうだと思えることも、目標への納得度合いに影響を与えますし、どうせ取り組むなら達成確率をなるべく上げておきたいはず。

最初はいまいちしっくりこない目標であっても、仮説として使うことで、あなたの経験を増やすための役に立つのです。いまはまだ納得できなくてもいいので、実験のための目標だと割り切って取り組んでみてください。

また、実験として目標に取り組む場合は、実験の期間を決めておくといいです。納得しきれない目標ですので、いつまでも取り組むのは辛いでしょう。でも、例えば3ヶ月だけ試してみよう、と期間を限定することができれば、少しは気が楽になるはず。