個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

調子のいい日を増やすために「じぶん実験」をしてみよう

Q.
調子のいい日は集中して仕事ができて効率もいいが、調子の悪い日はいまいち集中しきれません。どうしたら調子のいい日を増やせるでしょうか。

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A.
調子の良し悪しは、最終的には具体的な行動に現れるはずです。どんな具体的な行動に影響があるかを考え、行動を測定してみましょう。一定期間、記録できれば調子の推移が分かるはず。

それに加え、調子に影響がありそうな要因のメモを残しておきましょう。このメモと調子の推移とを付き合わせれば、何が自分の調子にとって重要な要因となっているかが見えてくるかもしれません。もし何か発見があれば、部分的にでも調子をコントロールできるかも。

解説:調子を記録できるように定義し、測定・仮説・検証を繰り返してみよう

調子の良し悪しの原因は分からない部分もあるので割り切って改善に取り組む

調子というものは確かにあります。僕にとっては、将棋で対局している時だとか、こういったコラムやブログの文章を書いている時に自覚することが多いです。妙に集中できているように思えたり、スムーズに仕事が進んだりしますよね。

でも、なぜ調子がいいのか、なぜ調子が悪いのか。それはよく分かりません。

例えば、睡眠が不足しているよりは十分に足りている時の方が、調子がいいんじゃないかなぁ・・・とは想像しています。でも、明らかに睡眠不足なのに妙に集中できることもあるし、睡眠は足りているはずなのに現実逃避ばかりしていることもあります。

あるいはイライラしている時よりは、落ち着いている時の方が調子がよさそうな気もします。前日に無理をした時よりは、淡々と過ごしていた時の方が調子がよさそうな気もします。気になって仕方ない悩みがある時よりは、平穏無事な日々の方が調子がよさそうな気もします。

全て「気がする」程度なのです。

調子の善し悪しの原因を正確に捉えられて、しかも改善することができるってなると、それだけで一財産築けてしまいそうな気がしますねぇ(笑)

測定することで調子の正体に迫ってみよう

と、まぁ、よく分からないことだかけの「調子」ですが、行動科学的に正体に迫ってみましょう。

調子の良し悪しというのは、最終的には行動になって現れるはずです。であれば、何かの行動またはパフォーマンスを測定することで、調子の良し悪しを測ることができます。

例:ブログを書くことについての調子を測る

例えば「ブログを書く」についての調子を測るには、どうすればいいでしょうか。主観的な印象ですが、調子のいい時はブログの記事をスムーズに書き終えることができます。調子の悪い時は、なかなか次の文章が出てきません。あるいは散漫な文章になってしまい、なかなか完成しません。

ですので、もしかしたら書き始めてから完成するまでの時間を計測すれば、ブログを書くことについての調子の良し悪しを判断できるかもしれません。

例:将棋の調子を測る

あるいは将棋のようなものだと、どうすれば調子を測れるでしょうか。最近、将棋の世界ではコンピュータ将棋がとても強くなっています。コンピュータ将棋を使えば、指し手の評価値を知ることができます。

そこで例えば悪手を指した率などを測れば、その日の調子を知ることができるかもしれません。

例:集中力を測る

あるいは集中力といったものでも、測定可能な数値に置き換えることは可能です。集中していない時というのは、現実逃避が多くなるかと思います。僕の場合、仕事中の現実逃避としてやってしまうことは、動画を観る・スマホで遊ぶ・Web小説を読む等、幾つかのパターンに絞り込めます。

これらの行為に割いた時間は、アプリを使うことで記録することができます。つまり、○時〜○時まで仕事をすると決めた上で、その間に生じた現実逃避の合計時間を記録すれば、どの程度集中できていたかを判断することができそうです。

「その日の前提」と「調子の測定」を照らし合わせて仮説を立てる

次に、その日の前提も把握してください。

調子の良し悪しを左右する要因として、自分なりに考えつくものが幾つかあると思います。それらについて「今日はどうだったのか」も記録しておきましょう。この記録は個人要因と環境要因の二つに分けて考えてみてください。

個人要因と環境要因

個人要因になるものとして、例えば次のようなものが考えられます。

  • ここ3日間の平均睡眠時間
  • 前日、どれだけ働いたか
  • 最近、気になって仕方のないことは
  • どんな感情で過ごしていたか、またその感情のきっかけとなったことは

また環境要因の場合は、次のようなもの。

  • 今日はいつ、どこで、誰と仕事しているのか
  • どんなスケジュールだったのか
  • 割り込みの頻度はどの程度だったか

以上は僕なりに自分の調子に影響を与えそうなものを書いてみました。皆さんも自分なりに考えてみて、リストアップしてみてください。

その日の前提と調子の測定を付き合わせて「仮説」を作る

で、今日はどういう日だったのかをリストアップした項目に沿ってメモしておきます。これが「その日の前提」です。「その日の前提」と「調子の測定」が記録できれば、その2つを照らし合わせることができるからです。

ある程度、記録がたまってきたら、「その日の前提」と「調子」との相関関係を探ってみてください。それで調子の原因が分かるわけではありませんが、仮説を立てることは可能になります。

仮説が立つということは、検証することができるということ。仮説に沿って個人要因と環境要因を改善し、調子に変化が出るかをまた記録をとって確認してみてください。何か見つかるかもしれません。

実際、ここまでやってもハッキリとした答えは見つからないのかもしれません。しかし、僅かでも「これをやっておくと調子が良くなる可能性があるなぁ」というものが発見できれば、有効な実験だったといえます。

仮説と検証を繰り返しながら、自分の調子の上げ方について理解を深めてみてください。