個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

やりたいことをやる!で取り組んでみたけど、中途半端に放り出したものがどんどん増えていく問題

Q.
やるべきことに縛られるのではなくて、やりたいことをやる方がいい!・・・はずなのだけど、どうも途中で放棄してしまっているものだかけになってしまう。なぜに。

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A.
やりたいことをやる!という建前で現実逃避をしているだけかもしれません。やってみたら思っていたのと違ったという体験が、本当の意味でのスタート。そこからどう工夫できるかに取り組んでみるのも一つの選択です。

解説:やりたいこと探しの悪循環ではなく、現状をちゃんと分析する方へ

やりたいことだったのに気が重くなってしまう・・・?

やるべきこととやりたいことは、次のように言われることがあります。

  • やるべきことを実行すると、義務を果たしていない状態から義務を果たした状態になる。つまり「義務を果たしていない状態」は気が重いので、その気の重さを無くすという理由で行動する。行動分析学的には嫌子消失。
  • やりたいことを実行すると楽しい。それをやることそのものが喜び。いやっふぅ。行動分析学的には好子出現。

ところが「やりたい!」と思って始めたはずなのに、いつの間にか「やるべきこと」のような気の重さが伴うようになってしまいます。楽しくないないのです。

楽しくないのは良くないので、また次のやりたいことを見つけてそれに取り組みます。ところが、またしても何故だか楽しさを感じられなくなり、気が重くなってきます。

一体、何が起きているのでしょうか。

やりたい思って始めたけど違った・・・は当たり前に起こること

あれをやりたい!と思って始めるわけですが、それは本当に「行動そのものが楽しい」のでしょうか。実はここに勘違いがあります。

行動そのものが楽しいと感じられるかどうかは、実際に行動してみないと分かりません。やる前から「楽しそう、やりたい!」というのは、単にそう思っているだけでしかありません。行動したらどうなるかは全く分かっていない状態です。

思うことと、行動して体験することは、別物だと理解してください。だから「やりたいと思って始めたけど楽しくない」なんてのは、普通に有り得ることなのです。

寧ろ実際に行動し、思っていたのと違ったという体験をしてからが、本当の意味でのスタートになります。そこからどうするかが大切なのです。

「やりたいことをやろう、楽しい方が良い」を理由に現実逃避してませんか?

現状は、思っていたのと違ったので次のやりたいことを始める、といったように対処しています。しかし、これはちょっとマズイかもしれません。

何故かというと、「いまの気の重さ」を避けるために「次のやりたいことをはじめる」となってしまっている可能性があるからです。頭ではやりたいことをやるのが目的だと認識しているかもしれませんが、行動的な実態は逃避になっているわけです。

さっき書いたように、いざやってみたら思ったのと違ったなんてことは、普通に起きることです。当たり前に「楽しくない」「気が重い」といった体験をすることになるのです。

そうすると、楽しくないとか気が重いというのは嫌なので、何とか逃げだそうとします。そこで「やりたいことをやろう」というスローガンがちょうど良い言い訳になり、逃避行動を正当化します。

この悪循環に嵌まり続けていると、途中放棄したものがどんどん生産されていくことになります。

ちゃんと「いま」を分析すれば、もっと簡単に行動できるかもしれない

一度やろうと思ったら、止めてはいけない・・・なんてことを言うつもりはありません。僕たちは行動してはじめて色々なことを知れるのです。体験できるのです。

行動して得た知見や経験をもとに、それを続けるかどうか判断するのは悪いことではありません。しかし、それが「気の重いことからの逃避」という理由での選んでいるのであれば、上記のような悪循環に嵌まっているかもしれないので、注意してください。

既に書いたように、思っていたのと違うという体験をしてからが本当のスタート。それらの体験は、全てあなたが前に進むためのリソースとして使えます。

気が重いから止めようという選択をする前に、そこで何が起きているのか、なぜ気が重いのか。その原因をしっかりと分析してみると、もっと楽に行動できるヒントが見つかったりもします。それなら別に止める必要もなくなります。

あるいは、ちょっと負担感を感じてはいるけど、冷静に考えてみたらやっぱり続けた方がいいと思えるかもしれません。それならそれで行動を続ける方法はいくらでもあります。

選択肢はたくさんありますので、安易に次のやりたいことに飛びつく前に、少し現状を吟味してみるといいでしょう。