個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

やりたいこと・やるべきこと、優先順位が決まる3つのステップ

時間さえあれば、お金さえあれば、もっとやりたいことがやれるのに。あるいは、そういう思いを優先した結果、やりたいことに邁進することができている。でも頭のどこかではこのままだとやばいことになるかもしれない…と警鐘がなっている。

やりたいことを優先するか、それともやるべきことをちゃんとやるか。その選択に悩む人は結構いるのではないかと思います。

人によってはやりたいことをやらなきゃ、人生意味がないというかもしれません。でも別の人は、そんな夢見がちなことばかり言っているから生活が苦しくなるんだよ、っていうかもしれません。

でも、これどちらも正しいし、同時に正しくないのです。考えるべきは「選択の機能」です。僕たちの目的や理想の実現に役立つ選択は何か。地に足をつけつつも、理想に視線を向けて一歩一歩を具体的な行動を積み重ねていくことが望ましいです。

やりたいことも、やるべきことも、どちらも必要。大切なのはバランスです。

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やりたいことと、やるべきこと。どちらを優先すべきか。

やりたいことがあります。そして、やらなきゃいけないこともあります。やりたいことに注力すれば、やるべきことが疎かに。かといって、やるべきことばかりをやっていたいのでは、いつまでもやりたいことがやれません。

これについては様々な意見があるでしょう。

やりたいことをやらなかったとしたら、人生の終盤に後悔してしまうかもしれません。ときどきネットに流れてきますが、看護師さんが聞いた「患者さんが人生の最後に後悔したことTOP5」なんて記事もありましたかね。この記事の真偽はさておき、共感する人が多いということは、それだけ気になるテーマでもあるのでしょう。

僕たちはやるべきことに嫌悪的な感覚を持つことが多いです。憂鬱に思えたり、やる気が出ない感じがしたり、常に何かに追われるように思えたり。やるべきことしかない人生というのは、常に嫌悪的な感覚と共に生きるようなものかもしれません。

一方でやりたいことばかりやって、やるべきことを疎かにすると、それはそれで問題を抱えることになりそうです。例えば、やるといったことをやらないために信頼を失ったり、生活の基盤を脅かすくらいに金銭的・物質的に困ってしまうかもしれません。やりたいことが享楽的なものだったら、健康を失う場合もあるでしょう。

確かにやるべきことに対して嫌悪的になることもあるかもしれませんが、放置してしまうともっと酷いことが人生に起こる場合もあるのです。その結果、やりたいことをやる余力が全くなくなってしまう未来もあるかもしれません。

日常が”機能的”になるちょうどイイところを見つけよう

結局のところ、どちらを優先すべきかという問いに対して、常に正解となる回答は存在ません。月並みな答えになりますが「バランス」を取っていくしかないのです。

バランスを取るにあたって考えるべきは、僕たちの日常が「機能している」かどうかです。その時に持っている目的や理想を実現するのに「役立つ日常」になっているかどうかを基準にしてみましょう。

いま現在、やりたいこととやるべきことのどちらが中心になっているでしょうか。そして、その結果、あなたの日常はどうなっているでしょうか。

選択がバランスを欠いたものになっているなら、何らかの問題を抱えているか、あるいは問題を抱えそうになっているかもしれません。それは選択を「調整する」べきタイミングであることを示唆してくれています。

調整する、というのがポイント。やりたいこととやるべきことの、ちょうどいいバランスは状況によって変わります。ある時は完璧に機能していた日常が、時間が経つに従って危ういものになることはよくあります。

つまり、これでバッチリOKという選択は存在せす、常に現状を把握し、日常が機能するように適宜調整していくことが求められるわけです。

状況によって調整できる能力を持とう

よって鍵となるのは「やりたいこととやるべきことの、どちらを優先すべきか?」という問いではありません。真に必要となる問いは「日常が機能するために、やりたいこととやるべきことのバランスを”取り続ける”にはどうすればいいか?」です。

バランスが大切とわかったところで、実際に具体的な行動へと反映できなければ意味がありません。それができるようになりさえすれば、どちらを優先すべきかといった悩みは不要です。その時に適切な選択をし、実行すればいいだけですから。

では、状況に合わせてやることを調整するためには、どんなことができると良いのでしょうか。3つに分けて解説します。

1. 現状を把握する

最初に日常が機能的なものになっているか把握する必要があります。

時間の使い方を知る

現状把握のポイントは、時間の使い方を知ることです。やるべきことに割いた時間がどの程度で、やりたいことに割いた時間がどの程度なのか。それはバランスを考える上で有益な情報になるでしょう。

時間の使い方を把握するには、仕事の単位時間を決めておくといいです。90分で1コマ、といったように。そうすると、例えば予め時間割のような表を作っておくことで、そのコマでどんな仕事をしたのか簡単なメモを残すことができます。

例えば、1コマ目:ブログ、2コマ目:メールの返信等、3コマ目:セミナーの資料作りのように記録が残っていれば、どんなことに時間を使っていたのかを後から判断できるはずです。

人生の輪(ライフホイール)

時間の使い方を知る以外でも、自分の人生を俯瞰して評価する方法もお進めです。人生を幾つかのカテゴリ(仕事やキャリア・人間関係・お金・健康等)に分けて、満足度を自己評価するのです。

ここでは人生の輪(ライフホイール)と呼ばれるツールが使いやすいです。人生の輪については下記で取り上げていますので、参考にしてみてください。

www.behavior-assist.jp

2. 方針を決める

時間の使い方を把握したり、人生の輪を使って現状の満足度を把握したら、次はそれをどう変えていきたいのかを決めます。あまり難しく考える必要はありません。もっとこうだったらいいのに…というシンプルな願望を具体的にしてみればいいのです。

いまの時間の使い方をみて「もっとやりたいことに多くの時間を割けるようにしたい」と思うなら、例えば「現状は週に2コマしかやりたいことができていない。これを8コマまで増やしたい」とすれば、目指す方向が具体的になります。

人生の輪でも同じです。あるカテゴリをもっと改善したいと思うなら、どうなったら改善したと言えるのかを具体的に表現してみればいいです。

もし願望があまりにも現状から離れている場合は、その願望に沿って、第一段階としてどこまで変えられると良いかを考えるといいでしょう。無謀な目標からは破綻した計画しか生まれません。地に足を付けて取り組むためにも、実現可能かつチャレンジしがいのある難易度に抑えておきましょう。

3. 具体的に取り組む

方針が決まったら、次は具体的に取り組むべき行動をリストアップします。ゴールに到達するまでの全ての行動をあげていく必要はありません。当面、取り組むべき幾つかの行動が分かっていれば十分です。

ただしそれらの行動はやはり具体的に記述されている必要があります。具体的に表現するためにはビデオクリップ法が使えます。その行動を実行している場面をモニターに映し、そこに何が映っているかを説明してください。かなり具体的な行動が表現できているはずです。

加えて、その具体的な行動をどの程度の期間、どのくらいの量・頻度で取り組むのかも決めておきましょう。1回だけ実行すればいいものもあれば、習慣的にある程度の期間、取り組まなければならないものもあるでしょう。

ここまで記述することができると、それは「行動目標」と呼ばれるものになります。あなたの日常を機能的なものに変化させるために、目指すべき当面のゴールとなります。

まとめ

本記事でお伝えしたことは次の3点です。

  1. やりたいこと・やるべきことは、どちらかを優先すればいいというものではない。状況に応じて適切なバランスがあるので、つど自分の状況を把握しながら調整してくこと。
  2. つまり現在を完璧なものにすることよりも、現状を踏まえて「調整し続けることができる能力」を獲得することが大切である。そうすれば例え一時的にバランスを欠いたとしても、自力で修正することが可能になる。
  3. やりたいこと・やるべきことのバランスを調整するために3つのことができるといい。(1)現状を把握する:時間の使い方や人生を俯瞰しての満足度を把握する。(2)方針を決める:現状をどのように変化させたいかを具体的に記述する。(3)具体的に取り組む:方針に沿って実際に行動するために行動目標を設定する。