行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

行動力をつけるための「ある1つの質問」が、今あなたを変えはじめる。

Q.
行動力をつけるにはどうすればいいでしょうか?

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photo credit: kaneda99 via photopin cc

A.
行動力をつけたいと考えている人は、たくさんいらっしゃるようです。行動力、欲しいですよね。僕も欲しいです。いつでも、どんな時でも、バリバリ行動できたらどんなに素晴らしいことでしょうか。

でも、ちょっと考えてみてください。行動力があるって、どういうことでしょうか?あるいは、行動力が無いってどういうこと?

まずは”行動力”を適切に理解する

行動力ゼロの人なんていない!

この記事に惹かれてやってきたあなたは、多分、自分に行動力がないと考えているのかもしれません。でも、実はあなたには行動力があります。

行動力とは文字通り「行動する力」ですが、この世に行動力が無い人なんていません。だって、行動する力がゼロだったら、ご飯を食べることもトイレにいくこともできません。だから、みんな行動力は持っているんです。

そういうことを言いたいんじゃない?そうですよね、わかってます。でも、ちゃんと重要な部分につながりますので、もうちょっとだけお付き合いください。

完璧な行動力を持った人もいない!

行動力ゼロの人なんていない、というのは同意していただけたかと思います。では、反対に完璧な行動力を持った人はいるんでしょうか?

結論から言ってしまえば、そんな人は居ません。いつでも、どんな時でもバリバリ行動できる人なんて、いないんです。どんなに行動力がありそうな人でも、疲れている時や調子の悪い時、元気の無い時、忙しくて手が回らない時等があります。そんな時は、どうしたって行動力は落ちるもんです。当たり前のことですよね。

じゃぁ、なぜ僕たちは行動力が無いと感じるの?

さて、ここが大切なところなのですが、僕たちが自分の行動力を嘆く時、何と比べて行動力が無いと考えてしまうのでしょうか?

僕たちは、自分に行動力が無いように感じてしまう時、バリバリ行動できる完璧な行動力と比較して、それに至らない部分を嘆いているんです。そうすると、僕たちはいつでも、どんな時でも自分の行動力の無さを感じることができますよね。だって、完璧な行動力を持った人なんていないんですから。

行動力をつけたいと思うのであれば、まずは幻想の完璧超人との比較を止めるようにしましょう。そうでなければ、どれだけ改善したところで、常に「自分には行動力がないんじゃないか…」と悩み続けることになってしまいます。悩み続けると元気がなくなります。元気がなくなれば、行動する力も低下するってもんです。

あなたを変えはじめる1つの質問。

あなたが自分の行動力を実感できる条件って何だろう。

さぁ、それを踏まえた上で、次の質問について考えてみてください。

『具体的に何ができると、今よりも行動力のある自分だと感じられるでしょうか?』

あなたが自分の行動力を実感するための条件を、なるべく具体的に考えてみてください。

  • ブログを毎日更新できたら、行動力を感じられるでしょうか?
  • 締め切りの3日前に仕事や宿題が終わっていたら、行動力を感じられるでしょうか?
  • 元旦に立てた目標を達成できたら、行動力を感じられるでしょうか?

きっと、人それぞれの行動力を感じるための条件があると思います。それを見つけることが、行動力をつけるための第一歩です。

何でもは対処できない、具体的なものだけ。

大体、行動力をつけたい、なんてのはあまりにも抽象的な願望です。対処のしようがありません。まずは、あなたの欲しい状態を具体的に表現するところから始めてみましょう。

具体的に考えることができれば、いま何ができていなくて、これから何ができるようにればいいのかがハッキリします。

これ、とても重要なことなんです。曖昧な願望からは、曖昧な行動プランしか得られません。具体的に考えるようにしてください。

昨日よりもほんの少し行動できたとしたら、それはとても嬉しいなって。

繰り返しになりますが、くれぐれも完璧に行動できるようになろうなんて思わないでください。そんなものは、最初から無理です。無理なものにチャレンジすると、挫折感や無力感でいっぱいになります。

完璧になるんじゃなくて、今の自分より少しだけ良くなることを目指せば大丈夫です。今の行動力が100点満点で30点だと感じるなら、35点を目指せばいいでしょう。じゃぁ、35点の行動力を感じるには、具体的に何ができればいいんでしょうか?

その答えが、いまのあなたに必要なものです。

おまけ:One more thing

おまけです。ここまで読んでいただいたお礼に、実際に行動するためのヒントもお伝えしておきます。

僕たちは、単に「行動しよう」と思うだけでは動けません。行動するためには「行動の原因」が必要なんです。行動できないのは、僕たちの意思が弱いからではなく、行動するだけの原因が作れていないことが問題だったりします。

行動できる原因を作ることで、結果として行動できます。反対に、行動できない原因を作れば、結果として行動できません。これは超初歩的な「行動の法則」です。

行動の原因とは何か?

行動の原因とは、「行動の直後に何が起きているか」です。行動の直後に良いことがあれば、僕たちは積極的になります。行動の直後に嫌なことがあれば、僕たちは消極的になります。

食べて美味しかったものはまた食べますし、食べて不味かったものはもう食べませんよね?当り前すぎる行動のメカニズムです。

だから、僕たちが実際に行動するためにできるのは、行動に伴って起きる嫌なことを減らし、行動に伴って起きる良いことを増やすことなんです。この方針に沿って、何か工夫ができないか考えてみてください。意外と色々できるもんです!(・∀・)