行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

メンタルブロックを外すコツは「思考と行動の足し算」にある。

Q.
メンタルブロックの外し方を教えてください。

f:id:h-yano:20131124011335j:plain

photo credit: Saad Faruque via photopin cc

メンタルブロックとは

人間が何か行動等を起こす場合に、出来ない、ダメだ、無理だと否定的に考えてしまう思い込みによる意識の壁、あるいは抑止・制止する思考のこと。(コトバンクより)

ですが、メンタルブロックを外したい理由は2つありそうです。

1つはメンタルブロックが原因で行動できないと考えているので、メンタルブロックを外すことで行動できるようになりたいというケース。もう1つは、メンタルブロックのせいで嫌な気分になるので、メンタルブロックを外してスッキリしたいというケース。

メンタルブロックを外したいと思っている人は、この2つのどちらを想定しているのかを考えてみてください。なぜなら、どちらを対象とするかによって対処法は全く異なるからです。

メンタルブロック外し1:行動を促す考えを付け足す

行動したいのでメンタルブロックを外したいと考えている場合は、まず「外す」という考え方を止めてみましょう。行動を止めているのは、メンタルブロックではありません。

メンタルブロックが行動を止めていると考えるので、メンタルブロックと呼ばれる何かを取り除かなければ…という発想になってしまいます。しかし、これは茨の道だと思います。実態のないものよりも、もっと具体的な行動を相手にした方が近道です。

考えて欲しいのは「外す」ことではなく、「足す」ことです。やりたいことが具体的になっているのであれば、それを実現するために「あなたにできること」や「あなたにとって上手くいくやり方」などを探してみてください。

うまいこと探すことができると、ルール支配行動という行動を促す仕掛けが働き始めます。そうすると「行動する原因」が手に入ります。行動できないでいるなら、行動できる原因を作ればいいのです。

メンタルブロックのようなもので行動が止まっている場合、必要なのは行動を促すための考え方です。何かが邪魔をしているのではなくて、後押しをする思考が不足しています。だから、行動を促すための考えを足してください。

取り除くより、遥かに簡単です。

メンタルブロック外し2:新しい視点を付け足す

さて、次はもう1つのケースについてです。メンタルブロックのせいで嫌な気分になるので、もっとスッキリしたいという場合は、新たな視点の獲得がオススメです。

まず、ある思考をしてしまう場合、それを無くすことはできません。記憶を消すことが難しいのと同じように、思考を止めるってのはとても困難なことです。

ただ、同じ物事に対して新しい見方ができるようになれば、その見方に基づいた思考の分、元々の思考に割く時間が減ります。別の思考を優先させることで、事実上、元のメンタルブロックなる思考に囚われなくなります。

先ほどのケースでは「新しい考えを追加しましょう」とお伝えしましたが、今度は「新しい視点を追加しましょう」ということになります。

メンタルブロックに振り回されちゃって嫌な気分になるってのは、要は視点が固定化されてそれ以外の見方ができないのが問題なのです。だから、新しい見方ができるようになるだけで、「これはこう考えていたけど、もしかしたらこうかもしれない」という柔軟な考え方ができるようになります。

思考が変わるとそれに伴う感情も変わりますので、気分が楽になります。

これも取り除くより、遥かに簡単です。

物理的なものであれば、取り除くことでシンプルになって改善されることも多々あります。しかし、思考のような形のないものは逆の方がいいです。

思考を無くすのは無理なので、そこに一生懸命になると効果が出なくてグルグルと同じところを回ってしまいます。思考系へのアプローチは「不適切なものを無くすのではなく、適切なものを付け足す」と考えると対処法を見つけやすくなりますよっと。

では!