行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

アウトプットを生み出す創造力を伸ばす2つの方法

アウトプットって大変ですよね。大切なことは分かっているんですが、なかなかできない。それでついついインプットばかりに。

なぜアウトプットするのが大変なのかというと、インプットするのに比べて負担感が大きいからです。なので負担感を乗り越える工夫が必要。

僕たちは何かをアウトプットすることによって、それまでに学んだことを整理し、組み合わせ、何かの新しい価値を創造します。その繰り返しの中から、いくつかの世の中に役立つ何かを生み出します。

本記事があなたのアウトプットというチャレンジを後押しすることを願っています。

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価値あるアウトプットとは何か

”何でもいいのでアウトプット”には価値があるか?

勉強するだけして、何もアウトプットできていないとなかなか成果を手繰り寄せることができません。インプットはアウトプットにつなげてこそ価値があります。

しかし、単にアウトプットといっても具体的にはどのようなものなのでしょうか。

一つの考え方としては、何でもいいので外に向けて情報を発信できればアウトプットとみなすというものもあります。

これはこれでありで、例えば学んだことをそのままアウトプットするにしても、実は全く同じ情報にはならず、その人なりの加工が必然的に入るため、何らかの新たな価値が生まれます。

新しい価値が付加されてこそアウトプットの意味がある

このことは重要な示唆を含んでいます。つまるところ、アウトプットの意味は「それまでにない新しい価値」にあるということです。

何でもいいのでアウトプットしようという考え方は、アウトプットに慣れてない人にとってはいいかもしれません。しかし、その段階からステップアップしようとするなら、意図的に「新しい価値」を付加してアウトプットすることが求められます。

では新しい価値とは何か。

世の中に全く無いものを生み出すことは、通常、とても困難なことです。僕たちが思いついたアイデアの多くは、すでに他の誰かが思いついているし、試されたものです。

どこの誰に × アウトプット内容 で新しい価値を作る

ここで必要になるのは「どこにアウトプットするのか」ということ。アウトプット先とアウトプット内容の組み合わせによって、新規性を作ることができるのです。

例えば若者にとって常識的なことであったとしても、それを高齢者向けにカスタマイズすれば新しい価値が生まれるかもしれません。あるいは地方の田舎の情報を都会向けにアウトプットしてもいいかもしれません。業界を変えるだけで新しい価値が生まれることもあります。

世の中という大きな括りで新しいものを生み出すのは難しいですが、対象を限定し、組み合わせることによって新規性を生み出すのは十分に可能なことです。

新規性が付加されたアウトプット。それができてこそのアウトプット力といえるでしょう。

なぜアウトプットするのが難しいのか

情報を具体化するのは負担の大きな行為

しかし、新規性を度外視しても、アウトプットすることに困難さや負担感を感じる人はいるかと思います。

アウトプットするのが難しい理由は、インプットとの違いにあります。インプットは適当で曖昧でも許されますが、アウトプットは曖昧なものを明確しなければなりません。

例えばこうやって文章を書く場合であっても、頭の中にある明確な形のない考えを、読むことができる日本語という具体的な形に変換することになります。これは思いの外、負担のかかる作業なのです。

別にアウトプットしなくても普通に生きていける…けど

加えて、アウトプットする必要性の低さが、その負担感を加速させます。

多くの人にとってアウトプットとは「必須」ではありません。おそらく「アウトプットできるにこしたことはないけど、やらなかったからといってすぐに何か起きるわけではない」といった感じでしょう。

敢えて負担感に晒されてまでアウトプットしようとする人は少ないのです。

しかし、アウトプットとは技術です。やればやるほど慣れていくものなのですが、上記の理由によって避けるかぎり技術は身につきません。

やればやるほどアウトプットに習熟し、負担感は減っていきます。反対に避ければ避けるほど、負担感は減ることなく大きな壁として立ちはだかり続けることになるでしょう。

前述の「新しい価値を付加すること」に加え、この負担感を乗り越えることができない構造にこそ、アウトプットすることの難しさがあります。

アウトプット力を伸ばす2つの方法

それを踏まえ、アウトプット力を伸ばすにはどうすればいいかを考えてみましょう。ポイントは2つあります。

アウトプットが要求される機会を作る

1つ目は「アウトプットが要求される機会を作る」こと。普通に過ごしていたのではアウトプットすることは必須ではありません。避けることができます。ですので退路を断ってみてください。

例えばあなたの興味のあることについての勉強会を開き、同じことに関心がある人達に声をかけてみましょう。あなたは主催者として参加者向けにしっかりと準備することが求められます。

また勉強会の参加者に何らかの学びを持ち帰ってもらうことができれば、それは「参加者にとって」新しい価値を提供することができたことになります。

あるいはどこかのセミナーや研修に参加し、社内で報告のためにプレゼンすることを上司に約束してみるのもいいかもしれません。社内の人にどんな新しい価値をもたらすことができるか、考えてみてもいいでしょう。

あなたがいま学んでいることについて、誰かに教える機会を持つのもいいでしょう。教えることを前提にすれば、インプットの精度も高くなります。

このように退路を断つことで強制的にアウトプットしなければならない状況に身をおいてみてください。確実にアウトプットの技術が伸びていきます。

プレッシャーを感じてしまうかもしれませんが、そのプレッシャーがあるからこそ伸びるのだと考えてください。

気軽にアウトプットできる普段使いのメディアを持つ

もう1つの方法は習慣的なアウトプットの場を持つことです。こちらには強制力はあまりありません。例えばブログやメルマガ、Youtubeといったものが該当します。自分のメディアを持つ、と言い換えてもいいかもしれませんね。

こういった普段使いのアウトプットの場を持っておくと、何かを表現したいと思ったときのハードルがぐっと下がります。

今日勉強したことでも、新しく発見したことでも、あるいは何かの復習を兼ねてでもいいです。ちょっとアウトプットしたくなった時に、そんなに気合を入れずに気軽に書いたり喋ったりすればいいのです。

繰り返したくさんアウトプットできますので、その分、技術も伸びていきます。

アウトプット力を伸ばす2つの方法を紹介しました。基本的にはこの2つの方法を組み合わせて使うといいでしょう。定期的にアウトプットしなければならない状況に身を置きつつ、普段は気軽な自分メディアを使う。

それであなたのアウトプット力は格段に伸びていきます。

まとめ

本記事でお伝えしたのは次の3点です。

  1. 新しい価値を付加してこそアウトプットには意味がある。しかし全く新しいものを作るのは難しい。先にどこの誰に対してアウトプットするかを決め、その相手にとって新しい価値は何かを考えればいい。
  2. アウトプットすることの難しさは、頭の中にある曖昧な考えを具体的に表現することの負担感にある。またアウトプットすることは多くの場合で必須ではないため、避けようと思えば避けられる。結果としてアウトプットに慣れることができず、負担感が軽減しない。
  3. アウトプット力を伸ばす方法は2つ。(1)アウトプットしなければならない状況に身を置くこと、(2)普段使いのアウトプット用のメディアを持つこと。この2つを組み合わせることによってアウトプット力を伸ばすためのトレーニングができる。