個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

行動契約。行動を変える力を持つ決断、力の無い決断。その違いとは?

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photo credit: LOSINPUN via photopin cc

時々、決断のお手伝いをすることがあります。決断っていう言葉は、とても曖昧ですね。”決めた道以外は断つ”なんて意味があるんだと思いますが、その意味が分かったとしてもやっぱり曖昧です。

曖昧というのは具体的な形に落とし込めてないってことです。具体的な形に落とし込めないものは、全て曖昧です。曖昧なものは、僕たちの行動を変容させる力がとっても「弱い」です。

だから、感情が盛り上がってよっしゃー!と決断したとしても、具体的な形に落とし込んでいないなら、行動を変える力とはなりません。

っていうか、決断しなくても行動は変わりますけど。いや、まぁ、それはさておき。意義のある決断って、具体的にどんな形になっていればいいんでしょうね?

決断を形にするには?

 行動契約に落とし込めば決断は形になる

で、時々、決断のお手伝いをすることがあるんです。冒頭でも書きました。

どんなお手伝いかというと、決断ってやつを具体的な形にするお手伝いです。

実は行動分析学から派生した技法の中に、決断を形にしたものが存在します。行動契約といいます。何か決断したいなら、行動契約へと落とし込めば決断が形になります。

行動契約には次のものが含まれます。

  • 遂行する具体的な行動(またはパフォーマンス)
  • 行動を遂行した際のご褒美
  • 行動をサボった際のペナルティ

これだけです。これで決断が具体的な形になり、行動を変容させる力を持ちます。

 

これだけで?って疑問が出てきそうですが、それは行動契約の内容をどう作り込むかってのがポイントなのです。何人かのクライアントさんに試したことがありますが、上手く行動契約を作れると、本当に行動してくれるから凄いです。

ちなみに僕はこれを自分に試したことはありませんでした。いや、だって、キツイんですよ^^; 行動契約は、キツくないと効果が無いのです。内心、みんな凄いな~…と思ってました。

でも、この前、とある機会があって遂に行動契約を自分で試してみました。その体験を踏まえながら、行動契約について解説します。

行動契約が行動を促す理由

僕が作った行動契約は、

  • 遂行する具体的な行動:○○(本の名前)を毎日15分以上読む
  • 行動した際のご褒美:特になし
  • サボった時のペナルティ:○○(本の名前)をブックオフに売る

でした。この内容を行動分析学を一緒に学ぶ仲間たちに宣言しました。

ポイントは「ペナルティ」の部分にあります。行動契約におけるペナルティは、本当~~に嫌なものにしなければなりません。

ちなみに僕がこの契約で読む対象にしていた本は、若干専門的な内容の本で、少々お高めです。2,800円です。買ったばかりなんです!ブックオフに売ったら、多分100円以下になります!いい本なんです!売りたくないです!

…まぁ、そんな訳で、この本をブックオフに売るのはとても嫌だったのです。

このようにペナルティをしっかりと押さえて作り込むと、行動しないこと=嫌なことが現実化する、という状態になるわけです。そうすると、嫌なことの現実化を阻止するという理由で、僕たちは行動します。

行動契約はペナルティの作り込みが肝

想像するだけで嫌〜な気分になる行動がペナルティ

行動契約の作り方でよくある失敗は、ペナルティがペナルティになっていないパターンです。

例えば次のようなペナルティ。

  • 行動しなかったらお小遣いから1万円を募金する。

一見、ペナルティのように見えますが、募金することって基本的に良いことだと思うんですね。募金自体に嫌な気分はしないと思います。だから、もし募金することになったとしても、どこか納得できる部分が残ります。これはペナルティではないのです。

 

どうせなら次のようにしましょう。

行動しなかったら、嫌いで嫌いで仕方ないあの政治家に1万円献金する。もう想像するだけで嫌~な気分になってしまう行動です。これがペナルティです。

決断というくらいなので、決断以外の行動はありえないわけです。それを形にしたのなら、これくらいのものにはなるってものでしょう。

 

反対にご褒美はあまり重要ではありません。というより、ご褒美が必要な行動をやろうとしているなら、それはとてもハードルが高いチャレンジだと思います。

基本的には行動そのもの、あるいは行動を積み重ねた成果自体が、自分にとってのご褒美となるようなものが望ましいでしょう。

ペナルティをなぁなぁにすると行動契約は力を失う

もう一つポイントがあるとするなら、ペナルティを遂行しなければならない状況になった時、それを確実に実行するような仕掛けを用意しておくことです。

なぜなら、ペナルティの部分を”なぁなぁ”にしてしまうと、行動契約は力を失います。形式上、作ってみました程度のものでしかなくなります。なので、行動をサボったらペナルティが確実に実行されるようにしておきましょう。

ある本に載っていた例だと、お金をコーチに預けておいて、サボったら嫌いな団体へコーチから寄付してもらうようにしたそうです。

ペナルティの実行が行動契約を機能させる

さて、僕のチャレンジはどうだったかというと。飲み会の日に1日サボってしまいました orz

行動契約自体はとても効果がありました。もともと読みたいと思っていた本だったんですが、どうも日常の忙しさに流されて積読状態になってました。それがあっという間に読みきってしまいましたよ。

ペナルティの存在が、本を読むという行動の最初の一歩を促してくれるんですね。で、読みたかった本なので、読み始めると面白くてどんどん読んでしまいます。1日15分をノルマにしていましたが、30分~1時間は読んでました。

面白かったです。

そう…、とても面白かったんです。だから、売りたくないんですよ。でも、サボったのでペナルティを実行しないといけないのです。

ペナルティを実行しなければ、僕は今後、行動契約をなぁなぁにしちゃうでしょう。それはとても勿体無いことなので、観念して本を売ってくることにします。

こうやって宣言すること自体が契約を遂行するための仕掛けになります…。はぁ…。

…というわけで、もし皆さんが何かを決断するのであれば、行動契約を作りこんで、契約が遂行される環境に身を置いてみてください。確実に行動の頻度が上がります。