個人起業家のための行動分析学 - 一般社団法人行動アシストラボ

僕らが持つ本来の機能・能力を存分に発揮するために行動科学を役立てる。

冴えない起業家が飛躍的に成長し、成功するために集中すべきこと

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2009年に会社をやめ独立しました。
それから2〜3年経った頃…

「どうも冴えない感じがするなぁ」

…と起業家として、経営者としての自分に自信が持てずにいました。
何故かといえば成果がでていなかったから。

個人でやるビジネスというものは、商品=自分ってくらいにビジネスと自己評価とか密接にリンクしがちです。
だから売上が立たないということは、自分のやっていることに価値がないとか、自分の能力・技術が大したことがないみたいな自己評価に陥ってしまうのです。

ただ実際にはそんなことはなくて、良い商品・良いサービスがあまり売れないなんてことは多々ある話。
もっと冷静に、客観的に自分の起業家としての状況を把握し、そこから飛躍するための手を打てばいいだけのことです。

当時のことを思い出しながら、つまり必要なのはこういうことだよね、ってのを記事にしてみました。

個人起業が成功するために必要な2つのこと

一年発起から起業して2〜3年経つと、

  • 地道に積み重ねてきたことが実を結び成果が出始める人
  • 何だか冴えない感じで頑張っても成果がでそうな雰囲気のない人

に分かれていきます。
残念ながら多くの場合は後者になってしまいます。

個人で事業を営む場合、個人の能力が業績に与える影響がとても大きくなります。
ランチェスター経営の竹田陽一氏によれば、会社業績の99%が経営者の実力によって決まるとのこと。
中小企業ですらそうなのですから、個人起業家の場合はいうまでもありません。

冴えない起業家になってしまう2つのタイプ

あくまで僕の観てきた範囲での話ですが、起業家として冴えない感じになってしまう人には次の2つのタイプがいます。

  1. 専門性の高い職人タイプの人
  2. これから専門性を高めなければならない人

専門性の高い職人タイプの人は、自分の専門分野に限れば高いパフォーマンスを発揮できます。
ただ専門性が高いだけではビジネスの業績は上がりません。
自分の専門性を必要としている人に上手く届ける工夫が必要なのですが、この部分が苦手なために業績につながらず、世に出ないまま在野に埋もれてしまいます。

またその専門性すら十分なレベルに達していない人もいます。
起業するまで社会で働いた経験がない人、働いた経験も技術も十分にあるけどジャンルを変えてしまった人などが陥りやすいです。
この場合は、出会ったお客さんにちゃんと役に立てないことが問題となりますし、同時に職人タイプの人と同じ問題も抱えることになります。

「提供できる価値」と「人々の評価」の軸で現状を把握しよう

つまり個人起業である一定の成果を出すためには、次の2つを達成することが求められます。

  1. 人に価値を提供できるようになること(お客さんの役に立つことができる)
  2. 提供できる価値が評価され、市場に拡散していくこと(お客さんに求められる)

この2つを軸に個人起業家としての現状を評価することができます。

職人タイプの起業家の状況

専門性の高い職人タイプの場合、価値を提供することはできますが、それが人々に評価され拡散していくところまではたどり着いていません。
下図のように表されます。
外側の「提供できる価値の円」に比べて、内側の「評価の円」が随分と小さいです。

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あなたが職人タイプの場合、当然、内側の「評価の円」を外側の「提要できる価値の円」に近づけていく活動が求められます。

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始めたばかりの起業家の状況

始めたばかりで専門性も高くない場合は、下図のようになります。

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ある意味バランスはいいですが、このままでは成果は出ません。
まずは「提供できる価値の円」を広げることを意識しましょう。
とはいえ実践的にはお客さんと接する機会があった方が実力が伸びますので、両方の円を交互に広げていくイメージで取り組んでみてください。

評価バブルに注意しよう

尚、焦って評価をどんどん得ようとすると、実力に見合わない成果が出てしまうという歪な状態になります。
所謂バブルです。
起業してすぐに大きな成果を出す人にありがちで、揺り戻しが起きるリスクがありますので注意してください。

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結局のところ地道に実力を伸ばしつつ、それに見合った評価を得ていくことが大切。
7つの習慣にインサイド・アウトという言葉がありますが、社会的な成果を得たいのであれば、まずはそれに相応しい自分になるよう努めましょう。

使える能力・スキルを獲得する最短ルートは量稽古

お客さんの役に立てるように価値を提供できるようになることも、人々の評価を積み重ねていくことも、個人起業家の場合は基本的に自分でやることになります。

もちろん誰かとチームが組めればその限りではありません。
しかし本当の意味でチームとして活動してくれる人が集まるのも、社会的な評価を獲得して注目を得られるようになってから。
やはり自分の頑張りに依存する部分が大きいのが現実ってことです。

成長スピード = 投下する時間の量2 × 時間の使い方の質

というわけで専門性を高めるためにも、評価を獲得していくためにも、自分の能力・スキルを伸ばしていく必要があるのです。
簡単にいえば「成長しましょう」ということ。
その基本的なプロセスは4ステップになりますが、それについては下記の記事を読んでみてください。

www.behavior-assist.jp

この記事で成長のための時間と労力の使い方についてお伝えします。

僕たちの成長スピードは「投下する時間の量2 × 時間の使い方の質」で決まります。
量の側に2乗がかかっていますので、量と質は7:3で量の方が大きな割合を占めます。

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時間の量が成長にどう影響するか、そしてその増やし方は

2倍のスピードで成長するために必要な時間は?

まずは「投下する時間の量」から考えます。
他の人に負けないくらい同じスピードで成長したいのであれば、当然、他の人と同じだけの時間を割けばいいです。
しかしもし他の人の2倍、3倍のスピードで成長したいのであれば、どのくらいの時間を割けばいいのでしょうか。

2乗がかかっているので、2倍3倍の成長に必要な時間は次の通りです。

  • 2倍のスピードで成長したいなら1.4倍の時間を投下する
  • 3倍のスピードで成長したいなら1.7倍の時間を投下する
  • 4倍のスピードで成長したいなら2倍の時間んを投下する

他の人が例えば週40時間働いているなら、週56時間働くことができれば2倍のスピードで成長することができます。

人より多く働くことは、そこまで無理なことではない

こう書くと大変なようにも思えますが、起業するということは取り組む分野を自分で決められるということですので、長い時間そのことに従事してもさほどストレスにはなりません。
また多くの人は労働時間が40時間であっても、休憩や逃避のせいで実態はもっと少ない時間になるでしょう。

つまり人の1.4〜2倍の時間を投下することは、簡単とはいいませんが不可能ではありません。
まずはちゃんと時間をかけるようにしましょう。
尚、人の半分しか時間を投下できないと、成長スピードは1/4になりますので注意してください。

意志の力ではなく制約の力で活動時間を増やす

では多くの時間を投下することに決めたとして、それはどうやって実現すればいいのでしょうか。
意志の力では「絶対」に上手くいきません。
僕たちはそんなに意志が強くないんです。

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会社勤めをしていた方が独立すると、極端に働く時間が減ってしまうことがあります。
いままでは勤務時間という制約があり、その枠内で労働していました。
ところが会社を辞めて独立すると、この制約がなくなってしまいます。

朝9時から働かなくても誰にも怒られません。
昼くらいでその日の仕事を終えても怒られません。
何なら1日働かなくても問題ありません(少なくともその日は)。

この制約の無さが僕たちを怠惰にします。
時間はあるはずなのに、先延ばしがちになって行動しなくなってしまいます。
それが人間ってやつなのです。

ちゃんと時間を使うためには「時間をそう使ってしまうような制約」を作る必要があります。
解決方法は色々あると思いますが、僕の場合は「時間割ゲーム」というツールを作りました。
下記の記事で解説していますので、興味があれば読んでみてください。

www.behavior-assist.jp

時間の使い方の質を変えなければ、量を増やしても結局意味がない

漫然と同じことをやってみても成長することはできない

時間を確保したら次は「使い方の質」を改善しますが、ここで大切なのが「同じことをやらない」です。

例えばブログを書いたことがない人が「毎日投稿」にチャレンジするとしましょう。
目的は多くの人に知ってもらうためです。

いままで書いたことないので、いきなり質の高い記事を書くのは難しいでしょうから、最初は数行程度の文章からスタートしても構いません。
まずはブログを書くことに慣れる必要があるからです。

では数行の記事を毎日投稿し続けたとして、多くの人に知ってもらうという目的を達成できるでしょうか。
おそらくそれは無理なのです。
やることを変えなければいけません。

できるようになったら常に「次のステップ」を目指す

できるようになったら、次のステップに進みましょう。
数行の記事が投稿できるのであれば、次は自分の400〜800文字程度の文章にしてみたり、更に次のステップで伝える内容を事前に吟味してみたり。
少しずつでも「いままでできなかったこと、やらなかったこと」にチャレンジしていきます。

  • こうしたらより目的の達成に近づくのではないか。
  • この本で学んだことを実際に試してみよう。
  • 先達にアドバイスしてもらったことに取り組んでみよう。

いまよりも良くなるであろうやり方を検証するような気持ちで、できなかったこと・やらなかったことを試してみてください。
こうすれば良くなるという仮説を立て、検証する。
成長するための実験をしましょう。

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これが「時間の使い方の質」を高める方法です。

人の役に立ち、評価を積み重ねていく

趣味とビジネスの違いは社会的評価にある

趣味とビジネスの違いは「社会的評価を必要とするかどうか」にあります。
趣味であれば他の人が評価してくれなくても、自分が楽しければOKです。

しかしビジネスとして成立するためには、あなたの専門性を必要している誰かがお客さんとして来てくれて、実際に役に立ってみせなければなりません。
お客さんが来てくれるためには、あなたのことを知ってもらう必要があります。
知ってもらうためには、人々が注目してくれるような理由が必要です。
その注目の源泉が「評価」なのです。

注目によって評価の機会が得られ、評価によって注目が集まる

注目されるから評価を得る機会が増える。
評価されるから注目を得る機会が増える。

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評価と注目は相互作用しています。
鶏と卵のような関係ですので、どちらもない最初は大変です。
螺旋階段を登るように少しずつ注目と評価を積み重ねていくことになります。

でも幸いにいまは人とつながりやすい時代です。

  • SNSでフォローし合うことで関係を深めていくこともできます。
  • オンラインコミュニティなどに参加するとこできます。
  • ブログを書けばGoogleがあなたの下に人を連れてきてくれます。

小さいかもしれませんが最初の手がかりを得ることは難しくありません。

小さな一人の評価の積み重ねが社会的評価の確立へ繋がる

最初は目に見える成果にならないので継続するのが大変

それよりも難しいのは「継続して評価を積み重ねていくこと」です。
ほんの数人程度の評価では、目に見えて分かる程の成果は得られません。
だから何だか上手くいっていないように感じるのです。

誰かにあなたの商品を体験してもらったところ「素晴らしい」といってもらえた。
でも、次のお客さんはなかなか来ない。

ブログを書き始めてみた。
数ヶ月頑張ってみたけど1日のアクセスは数人程度。

SNSを始めてみた。
自分がフォローする人は増えたけど、反対にフォローしてくれる人は殆ど増えない。

こういうことは多々あるものです。

ネットワークの1/4の人々からの支持が転換点

でも「得られた貴重な機会を使って全力で貢献する」ことを積み重ねてください。
成功のきっかけはランダムにやってきます。

  • あなたの商品を素晴らしいと言ってくれた人は、あるコミュニティの中心人物だった
  • ある日書いたブログの記事がGoogleに高評価され、毎日100人単位で人が読んでくれる記事になった
  • SNSで投稿したことがたまたま多くの人に支持され、拡散された

こういったランダムに訪れる小さな成功を積み重ねていくことで、あなたのことを評価する人がネットワーク内に増えていきます。
それが一定の割合に到達した時(具体的にはネットワーク内の1/4)、あなたのネットワーク内での評価が確立し、注目のされ方が加速度的に拡大していきます。

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このことを知っていれば、継続して評価を積み重ねていくことの大切さが分かると思います。
成果が上がらないからといって、コロコロとやることを変えたり、途中で止めたりしていては、あなたのことが人々のネットワークに浸透していきません。

小さな成功を積み重ねてください。
そのためにも偶々知ってくれた人に、役立つことを意図して活動しましょう。
人に貢献する機会はとても貴重なのです。

まとめ

本記事でお伝えしたことは次の3点です。

  1. 起業家としての現状を「提供できる価値の円」と「人々の評価の円」の2つで把握してみよう。職人タイプの人は価値の円に比べて、評価の円が小さい可能性が高い。始めたばかりの人はどちらの円も小さい。どの円を伸ばすべきか意図をもって活動しよう。
  2. 成長のスピードを決めるのは「投下する時間の量」と「時間の使い方の質」できまる。量と質は7:3で量の方が重要。人の2倍のスピードで成長したいなら、人の1.4倍の時間を投下しよう。また常に次のステップを目指し、いままでできなかっとややらなかったことにチャレンジしていこう。
  3. 趣味とビジネスの違いは「社会的評価」にある。評価を得るには注目が必要だが、注目の源泉は評価。評価と注目は相互作用しているため、鶏と卵のような話になる。しかし、今の時代、注目を得ることは難しくないため、それを利用し小さな評価を積み重ねていこう。ネットワーク内に一定の率で評価してくれる人が現れれば、そこから一気に社会的評価が確立する。