個人事業家のための行動分析学 - 一般社団法人行動アシストラボ

僕らが持つ本来の機能・能力を存分に発揮するために行動科学を役立てる。

ライフワークで収入を得るまでの道のりと実践する上での重要事項

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収入を得る一番確実な方法は、会社に雇われて働くことです。
なぜなら、そこには収入を作るための仕組みが予めできあがっているから。
そこで生じるタスクを遂行していけば、一定の収入を確保するのは難しいことではありません。

しかし「ライフワーク」というキーワードに惹かれる人にとって、生活のためとはいえあまり興味・関心を持つことができない仕事に多くの時間を取られてしまうのは、大きなストレスになることでしょう。

ではライフワーク、つまり好きなことをやって食べていけるのかと問われると、現実問題難しいよね、という答えになります。
好きなことで食べるというのは、雇われて働くことしかしてこなかった、例えば独立前の僕のような人間にとっては難しいことです。
徐々に生活が崩壊していくという不安や恐怖と共に、日々を過ごすことになります。

勘違いがあるんです。

好きなことをやって収入が得られるのではありません。
好きなことを通して、誰かの役に立つことができたら、それを収入にすることができるのです。

ライフワークに専念したいけど収入が得られないという問題を、どう乗り越えていけばいいのか。
本記事ではそのことについて書きました。

短期間で大きな成果を出す方法ではありません。
地道に少しずつ積み重ねていく確実な道についてお伝えします。

ライフワークはマネタイズに苦労することが多い

ライフワークを人生の中心に置きたいけど、収入が得られないという現実

仕事には4つの種類があるそうです。

1つは収入のための仕事。
現代社会では多くの人は生活のためのお金を得る必要があります。
それを目的として働く仕事です。

2つ目はキャリアのための仕事。
僕たちは仕事を通して様々なことができるようになります。
そしてそのことを周囲から評価されます。
成長と社会的評価を目的として働く仕事です。

3つ目は天職としての仕事。
僕自身には分からない感覚ですが、使命感に駆られるように取り組む仕事があるようです。

4つ目は自己実現としての仕事。
人は何かに興味・関心を持ち、それに没頭することに充実感を覚えます。
僕たちは興味・関心を仕事とすることができます。

ライフワークはこの4つ目の仕事と近い概念でしょう。

しかし、生きていく上では1つ目の収入のための仕事を手放すことができません。
本当は4つ目の仕事を人生の中心に置きたいと望みながらも、それでは食べていけないという現実にぶつかってしまいます。

ジレンマ:仕事のストレスを取るか、収入への不安と恐怖を取るか

ここ数年程、僕の周りでは「一番好きなことをやろう」という言葉をしばしば聞きます。
収入だけを理由として働くのは、その仕事に人生の大半の時間を捧げるのは馬鹿らしい、と。

確かにそうかもしれません。

収入のためだから仕方ないとストレスを感じながら働き、会社を出て帰宅した頃には1日の大半が終わっている生活は辛いものです。
僕自身そうでした。

ではそんな仕事は辞めてしまって、好きなことをやればいいのでしょうか。
これもまた難しい問題です。
好きなことと収入を両立させるのは困難だからです。

収入が得られず生活が崩壊していく過程は、仕事のストレスとは違った辛さを人生にもたらします。
一日中、お金のことが頭を離れず、不安や恐怖と共にある生活は、充実したものとはいえませんでした。
辛いです。

欠けている視点は「誰かの役に立つことを通して収入を作り出す」である

それでも一番好きなことをやろう、と考えるのは悪くありません。
寧ろ、いいことだと思います。

しかし、それで食べていきたいのであれば不足があります。
収入は「仕事が誰かの役に立つ」から得られるのです。好きなことをやろう、という言葉にはその視点が欠けています。

つまり、取り組まなければならないのは「好きなことをやって、誰かの役に立ち、そして収入を得よう」なのです。

僕たちは好きなことをやった経験はあります。
また仕事を通して収入を得た経験もあります。

しかし、「誰かの役に立つことを通して収入を作り出す」ことをしたことがある人は、あまりいません。
会社での仕事は、既にそれが成立している中で与えられたタスクを完了していくものなので、自分でお金を稼いだ経験はなかなかできないのです。

ライフワークで食べていくことの難しさは、「誰かの役に立つことを通して収入を作り出す」経験の不足から来ています。
どうしたらお金を払ってもらえるか、体験的に知らないのです。

市場が求めるものを意識してライフワークに取り組む

競争を前提としては失敗する

収入を作り出す活動のゴールは、人々に「○○といえばあなた」と思ってもらうことです。
つまり、ある分野においてNo.1になることです。

No.1の評価が成立しさえすれば、その分野で人々が何かを求めた時、あなたは第1選択になります。
ことさら宣伝しなくても、人々の方からあたなのところにやってくるでしょう。

No.1になるための方法は2つあります。

1つはライバルとの競争に打ち勝つことです。
しかしこれは茨の道でしょう。
大きなリソースを持つものが有利な戦いです。
ライフワークで食べていきたいと願う個人が挑む戦場ではありません。

ですので、あなたが選ぶべき道はもう1つの方です。

いまあるものに何かを加えて、未踏の地を切り拓く

もしあなたが選んだ道を進んでいる人が、あなた以外にいなかったらどうでしょうか。
必然的にあなたはNo.1になります。

つまり、もう1つの道とは「未踏の地を切り拓く」ことです。

誰もやったことがないことをやる、というのは難しく思えるかもしれません。
実際、簡単というわけではないでしょう。
しかし、ライバルのひしめく中で競争に勝とうとするよりは圧倒的にマシな選択です。

未踏の地を切り拓くとは、ゼロから誰も知らない何かを作り出すことではありません。
いまの社会に何かをプラスする行為です。
ちょっとした前進を提供すればいいのです。

何かをプラスするためには「いま何があるのか」を知っておく必要があります。

いまの社会には何があって、それで解決できていない問題は何か。
そこにあなたの取り組みはどう役に立つのか。

それを意識してライフワークに取り組んでみてください。
常に「この取り組みが社会をどう前進させるのか、どう役に立つのか」を意識しておくことです。

社会にプラスαをもたらすための2つの活動

社会にプラスαをもたらすためには、次の2つをやらなければなりません。

  1. あなたがライフワークとして取り組む分野で何が起きているのかを知る
  2. あなたのプラスαを人々に見えるようにして社会に提供する

1. いま、この社会で何が起きているかを知っておこう

プラスαをもたらすとは「いまあるもの」をに何かを加えるわけです。
ならば「いまあるもの」を知っておかなければ、付け加えようもありません。

巨人の肩に乗る、という言葉があります。
僕たちは先人の達成してきたことの上に何かを積み上げていくことで、社会を前に進めてきました。

未踏の地を切り拓くとは、誰かを出し抜くことではありません。
どちらかというと、みんなで未踏の地を少しずつ作っていくような感じです。

誰かがまだ誰もやっていないことをやった。
ならばあなたはそこに何かを付け加えることで、前進させればいいです。

僕たちには理想を描く力があります。
理想を描くと、その瞬間に現実とのギャップが生まれます。
ギャップは必然的に未解決の問題になります。
それを解決していくことで、僕たちは未踏の地を切り拓いていきます。

2. あなたの取り組みの成果を人々の見える形にして提供しよう

あなたが開拓者たちのメンバーの一人になるためには、あなたのやっていることを人々の見える形にしておく必要があります。

商品やサービス、ブログやYoutube等での発信、書籍や論文、フリーウェアやアプリ、プログラムコード、画像や音声素材等、他にもたくさんあります。

あなたの取り組みをあなた一人しか見られないのでは、社会に提供したことになりません。

誰かの目に止まり、その誰かの役に立つ。
あるいはその誰かが更なるプラスαを作るためのきっかけとなる。

そのようにしてあなたは未踏開拓メンバーの一員となっていきます。

結局「時間」が課題となるが、最終的には「行動」の問題に帰結する

ライフワークに取り組むための課題は「時間」になる

ライフワークで食べていくために必要な活動は、次の2つです。

  1. あなたがライフワークとして取り組む分野で何が起きているのかを知る
  2. あなたのプラスαを人々に見えるようにして社会に提供する

これらの活動を繰り返すことで、あなたは人々の評価と信頼を積み重ねていくことでしょう。
ライフワークの収入は、積み重なった評価と信頼の上に成立します。

とはいえ、人々の評価や信頼とは、一朝一夕で獲得できるものではありません。
ライフワークの初期段階では、多くの時間、収入が得られないまま活動することになるでしょう。

つまり、別に生活の糧を持ちつつ、ライフワークのための時間を捻出することになります。

ライフワークで食べていくというテーマは、結局のところ「時間」が課題となってくるのです。

社会の要請に従うだけでは時間は失われていく

1日の時間は24時間です。これは誰であっても同じです。

時間が課題となるということは、この24時間をどう使うかという選択の問題である、ということです。
そして選択とは、最終的にどのような行動を実行したかによってのみ評価できます。

ライフワークのための時間を取るということは、他の活動よりもライフワークのための行動を優先して実行するということです。

ここで問題が生じます。

あなたは生活のために収入を得なければなりません。
多くの場合、それは誰かに雇われて働く、という選択になるでしょう。

そうなった時、おそらくあなたは上司や同僚、顧客からの要請によって、ライフワークよりも収入を得るための仕事を優先してしまうことになります。
この種の要請は、あなたの行動に大きな影響力をもっていることでしょう。

いま、この時にあなたが重視すべきことは何か?

別の活動から収入の糧を得ながら、ライフワークのための時間も作るためには、この種の要請の影響力に打ち勝つだけの何かが必要です。

それはつまるところ、あなたが人生で優先することは何か、という価値基準の話になります。

あなたにとって、いまこの時に重要視すべきことは何か。
そのことを自覚できていると、行動への影響力に変化が生じます。

収入を得るための仕事よりもライフワークを優先しよう、と言っているわけではありません。
あなたにとって「いま重要なことは何か?」を自覚して欲しい、ということをお伝えしています。

場合によっては収入を得ることが、あなたの生活にとって重要なこともあるでしょう。
あるいは、上司からの評価を高めることよりも、ライフワークの活動の方が重要なこともあるでしょう。

一ついえることは、自覚がなければ社会(周囲の人々)の要請によって、あなたの行動は決まってしまうということです。
自覚なく、これに抗うのは困難です。

自覚はあなたの選択に変化を与えます。

それは小さな変化で、それでも時にライフワークから遠ざからざるを得ないかもしれませんが、小さな変化の積み重ねに人生の変化はあります。

いま、あなたにとって重要なことは何でしょうか?

まとめ

本記事でお伝えしたのは次の3点です。

  1. ライフワークで食べていくことの困難さは、ライフワークで「誰かの役に立つことを通して収入を得る」経験が不足していることに起因する。
  2. 未踏の地を切り開いて「○○ならあなた」という評価と信頼を築ければ、収入は後からでもついてくる。そのために (1)あなたがライフワークとして取り組む分野で何が起きているのかを知る、(2)あなたのプラスαを人々に見えるようにして社会に提供することを繰り返す。
  3. 収入の糧を別に得ながらの活動になる場合、最終的には「どの行動を選択するのか」という問題に帰結する。社会の要請に単に流されるのではなく、いま自分にとって何が重要なのかを自覚して選択できるよう、価値基準を明確化しておこう。