行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

目標達成に必要なことはみんなロールプレイングゲームで教わった

とてもやる気になる目標を立てて、活動し始めたはいいが、いつの間にか行動が止まってしまったことはないでしょうか。思うような成果が出ずに挫折したり、反対に少し成果が出たのに何故か行動が止まってしまったり。

僕たちはどのようにしたら、目標を達成するまで行動を継続することができるのでしょうか。

結論からいえば、ドラゴンクエストなどのロールプレイングゲームを参考にした「行動の仕組み」を作るといいでしょう。

ロールプレイングゲームには、初期段階で行動を軌道に乗せたり、途中で飽きさせないための仕掛けがたくさんあります。最後までゲームをプレイしてもらうために、考え抜かれた非常に優秀な仕掛け。

そのような仕掛けを「行動分析学流」に読み解き、僕たちの現実の活動へと応用することで、いままでよりも遙かに有利な「行動を継続する仕組み」を手に入れることができます。

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目標達成における現実とロールプレイングゲームの違い

スライムはいないし、村人も王様もいない(軌道に乗せてくれるガイドがいない)

レベル1の主人公はスライムが助けてくれる

ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのような、ロールプレイングゲームで遊んだことはあるでしょうか。ロールプレイングゲームでは、レベル1のまだ弱い主人公のためにスライムのような敵がいます。あるいは、村人や王様の話を聞くことによって、当面のやるべきことも教えて貰えます。

つまり、ゲーム内での活動を軌道にのせるための装置が用意されていて、それらをこなすことによって自然とゲーム内で有効な活動ができるようになっていくわけです。

現実の僕らは「自分で頑張れ」と放り出される

一方で現実の話。僕たちが目標を持った時、その「達成のための活動を軌道に乗せてくれる何か」は存在するのでしょうか。通常は何もありません。最終的に達成したい目標だけ分かっていて、「さぁ、あとは自分で頑張れ」と現実に放り出されてしまいます。

スライムのような初心者向けの敵もいなければ、当面の「正しい」課題も教えて貰えません。そんな状態で一歩目を踏み出さなければならないのです。

初期段階の行動が軌道に乗らない・・・

有効な行動パターンを手に入れる仕掛けがありませんので、一歩目を踏み出したはいいが、前に進めず足が止まってしまうかもしれません。あるいは、当初思っていたような成果が出なくて、挫折してしまうかもしれません。

目標の達成に向けて、行動を軌道に乗せるのがとても難しいのです。

”ステータス”や”ゴールド”、”装備”はない(分かりやすい成果がない)

ステータスがあれば報われやすい

また、ロールプレイングゲームでは、努力の成果も分かりやすくなっています。敵をたくさん倒せばレベルアップします。ステータスが変化します。ゴールド(ゲーム内での貨幣)が増えたり、その増えたゴールドで装備を一新すれば、またステータスが変化します。

頑張れば頑張っただけ、報われる世界なのです。

小さな小さな変化なのでよく分からない僕たち

現実の僕たちにはステータスがありません。あるのかもしれませんが、少なくとも数値化されていて、いつでも確認できるようにはなっていません。

一生懸命努力しても「前よりも上手くなった・・・気がする?」くらいの、曖昧で主観的な変化しか分かりません。

長期的にみれば何かの成果が出たり、周囲からの賞賛や評価によって変化を実感できるのかもしれませんが、少なくとも短期間の努力に対して、どのような変化が生じているのかはとても分かり難くなっています。本当は小さな小さな変化が起きているはずなのですが・・・。

塵も積もれば山となる型

このような小さな小さな変化を積み重ねて、時間をかけて、ようやく意味のある変化を獲得できるようなパターンを、「塵も積もれば山となる型(塵積型)」といいます。

塵積型の環境は、行動を継続するのが非常に難しいのです。僕たちが達成したいと望む目標へのチャレンジは、多くの場合、塵積型が該当するので、行動が途中で止まってしまいがちなのです。

適度な壁となってくれるボスキャラがいない

努力が報われることを教えてくれるボスキャラ

ロールプレイングゲームには、物語の節目節目で主人公にとって「適度な壁」となってくれるボスキャラがいます。

名作ゲームには愛すべき敵キャラが生まれたりしますが、そんな彼ら/彼女らによって、僕たちは軽い挫折を味わいます。でも、気を取り直してレベルを上げたり、装備を整えたりすることで打ち勝つことができます。

ボスキャラは「努力で困難を乗り越える体験をさせてくれる装置」として機能しています。

十分に頑張っているかどうかもよく分からない

しかし、現実世界にはボスキャラがいません。最終目標に向かって僕たちを成長させてくれたり、ガイド役になってくれたりする装置がないのです。

一生懸命頑張っても、目標達成に向かって進んでいるのかもよく分かりません。もっと頑張らないといけないのか、それとも十分に頑張れているのかも分かりません。

報われる頑張り方が分からない僕たち

目標達成までのストーリーが見えてこないので、「報われる頑張り方」も見えてこないのです。正しい努力の仕方が分からないのです。

クリアすべき明確な課題が、必要なタイミングで勝手に現れてくれれば楽なんですけどね。なかなかそうもいかないのが現実です。

僕らが「続ける」ために必要なものは何か?

行動は強化されなければ継続しない

少し視点を変えて、行動の継続について考えてみます。

行動分析学の知識を活用すると、行動が続くためには「強化されて続けていること」が必要になります。逆にいえば、強化されていなければ行動は止まってしまうのです。

強化:行動に伴って求めている変化が生じること

では「強化」とは何でしょうか。簡単にいうと、「行動に伴って求めている変化が生じること」です。強化された行動は、その後も似たような状況で繰り返しやすくなります。

分かり難いので例を使いましょう。

喉が渇いている時に、水を飲むという行動を実行したら、喉が潤うという変化が生じた。この場合、「水を飲むという行動」を「喉が潤うという変化」によって強化しています。

このような強化の体験によって、次に喉が渇くという状況になった時、水を飲むという行動が促されやすくなるのです。

強化は「ある状況においてメリットのある行動を学習するメカニズム」といっても良いかもしれません。

強化するものがないので行動が止まる

行動することにメリットがある(=強化され続けている)ので、その行動は継続します。反対にメリットがなくなる(=滅多に強化されなくなる)と、行動は止まってしまいます。

目標を達成するための活動が止まりやすいのだとすれば、それらの活動を強化するものがないということなのです。

ゲームにはプレイヤーの行動を強化する仕掛けがたくさん

ロールプレイングゲームには、プレイヤーの行動を強化する仕掛けがたくさんあります。強化されやすい状態に導いてくれるガイド役(スライムや王様)がいたり、努力のメリットを分かりやすく数値(ステータスやゴールド)で示してくれたり、倒しがいのあるボスキャラが用意されていたりします。

しかし、現実世界での目標達成の活動には、自然にしているだけではそれらの強化要因は存在しません。だから工夫が必要になります。

ロールプレイングゲームのように工夫が必要(適度な挫折とチャレンジを繰り返すストーリー)

明確なチャレンジ対象であり、努力の基準となるボスキャラ

ゲームにおけるボスキャラの機能は秀逸です。明確なチャレンジ対象であり、どれだけ努力すればいいかの基準であり、ストーリーを進展させるスイッチです。

目標達成のためにも、チャレンジし乗り越える対象としてのボスキャラを作ると効果的です。

ボスキャラを倒し続ければ、最終的には目標達成の一歩前まで辿りつけるようなストーリーを描けるといいでしょう。目標達成という物語の進捗に合わせて、ボスキャラの難易度を調整します。

行動目標をボスキャラに仕立ててしまおう

最初は「やればできる行動目標」をボスキャラにします。始めたばかりの頃はレベル1の主人公のようなものですので、あまりハードなボスキャラは頑張っても倒すことができません。今後の旅に備えるための、あるいはより強いボスキャラを倒すための準備が必要です。

やればできる行動目標とは、いつもよりちょっと頑張れば達成できるようなもののことです。達成することによって、自分のできることの限界が少し伸びるようなものだといいですね。それが未来に現れるであろうより困難な目標への準備になります。

技術の向上は新たな目標をクリアするための支えになる

例えば・・・、1時間かけてようやく400文字の文章を書けていたとしましょう。そこで、1時間で1000文字の文章を書くことを行動目標とします。これを達成することができたら、文章を書く技術が向上したといってもいいでしょう。

それは例えば次に「毎日1000文字以上の記事を投稿する」という新たな目標を設定した際、その目標をクリアするための心強い支えとなってくれるはずです。

ボスキャラはだんだん強くなる:行動目標から成果目標へ

最初はそんなところから始めて、徐々に難易度を上げていきます。簡単な行動目標から難しい行動目標へ、そして行動目標から成果目標へ。

成果目標では、当然、成果を出すことを目指します。成果目標型のボスキャラは、倒すがの少し大変です。様々な条件を満たさなければならないのです。ゲーム内であれば特別なアイテムが必要だったり、どこかのダンジョンのスイッチを入れる必要があったり・・・。

鍵となる成功要因を探し、仮説とする

現実でも成果を出すには通常、幾つかの条件を満たす必要があります。それらの条件が整うことで、自動的に成果が得られるのです。条件は成果を分解することで見えてきます。

例えば、メルマガの読者を100人するという成果目標を設定したとします。この成果を分解してみると、「メルマガについての明確なテーマ」「メルマガについての分かりやすい説明文」「メルマガの存在に気づいてもらう導線」といったものが成果達成の条件であることが見えてきます。

それらの条件は、実は「これらを満たせば成果がでるはず・・・」という仮説にすぎません。つまり、成果型目標のボスキャラを倒すというのは、それらの仮説を検証しましょう、場合によっては新たな仮説を立て直しましょう、ということなのです。

これは小さな挫折とチャレンジを繰り返すストーリーです。行動目標型のボスキャラを倒すことでレベルアップした自分を、フルに活用して乗り越えましょう。

できることを増やし、適度なチャレンジとそれを支持する人々を得る

ステータスの代わりになるもの

ストーリーだけでなく、自身の成長とチャレンジ行動を促してくれる装置も必要です。

ストーリーだけあって、「さぁ、頑張れ」では人はなかなか行動を続けられません。行動を強化してくれる工夫が必要なのです。

ゲーム内では数値化されたステータスであったり、主人公の行動を支持し賞賛してくれる人々がそれに該当します。それと似たような働きをする何かを用意しましょう。

行動やパフォーマンスを記録してステータス代わりに使う

僕たちには数値化されたステータスはありません。でも、実際にできることは増えていきます。できることの質を高めることもできます。

それらを数値化するのは難しいかもしれませんが、できるようになりたいことの質と量を具体的に記録することはできます。その記録の推移を見ることで、レベルアップを実感しやすくなります。

例えば、ブログについてであれば、一週間で書いた文章の文字数であったり、1つの記事を完成させるのに使った時間であったり、継続してブログを更新した日数であったりを記録してみると、ステータスの代わりになるかもしれません。

支援してくれる人たちが行動を強化する

また、目標の達成を1人だけで頑張る必要はありません。

王様や村人のように冒険のガイドや支援をしてくれる人はいるでしょうか。例えば、達成したい目標を、既に実現している人たちから学ぶことは、ガイド役を手に入れることに近いかもしれません。コーチやコンサルタントを雇うという手もあるかもしれません。

ボスキャラにチャレンジして、倒すことができたなら、良くやった!と褒めてくれる人もいるといいですね。あるいは、仲間のように、それぞれのできることで協力しながら、同じ目標にチャレンジしてくれたりする人も欲しいです。

そのような人々が目標の達成を支援してくれたなら、僕たちの行動はかなり頻繁に強化されることになります。行動を続けるためにとても有利です。

目標達成をRPG化するための3つのコツ

目標達成のプロセスをロールプレイングゲーム化できれば、行動を継続しやすい環境が手に入ります。そのための具体的なアイデアについて踏み込みます。

スキルや魔法を覚えるように「行動レパートリー」を手に入れる

行動レパートリーというスキルや魔法

ロールプレイングゲームにおいて、新しいスキルや魔法を手に入れると、ゲームを進行しやすくなります。手強いボスキャラであっても十分に戦えるようになります。

では、現実においてゲームでのスキルや魔法に該当するものは何でしょうか。それは「行動レパートリー」になります。強力なスキルや魔法がゲームクリアを支援してくれるように、僕たちの「できることの質と量」が伸びることは、目標の達成を容易にしてくれます。

僕たちにとってスキルや魔法ともいうべき「行動レパートリー」を獲得する方法は、大きく分けて2つです。

新しい、より適切なパフォーマンスを定義しよう

1つはパフォーマンスを変えることです。パフォーマンスというのは、成果を得るための行動の質や量、手順について定義したものです。

例えば、自宅を6:45に出発して最寄り駅に7:00までに到着しなければならない時、どのくらいのスピードで歩く必要があるでしょうか。早足で歩く方がいいのか、それともゆっくり歩いても大丈夫なのか。あるいは、どのようなルートを選択する必要があるでしょうか。いつものルートで移動すればいいのか、それとも坂道があるけど距離の短いルートを選ぶべきなのか。その辺りを定義するのがパフォーマンスです。

ただ「歩く」だけだと単なる行動です。歩くという表現には、行動の質や量が含まれていません。だから、「どの程度の歩く」を実現すればいいかが分からないんですね。

基準が変われば、行動も変わろうとする

成果を得るに相応しいパフォーマンスを定義することは、僕たちの行動の基準を変えることになります。基準が変わると、それに合わせて行動も変わろうとします。それまでとは違う行動パターンが表出する可能性があるのです。

やるべきことは基本的に分解と統合です。例えばブログで100万PVを達成したいのだとしたら、どのようなパフォーマンスを実現すればいいでしょうか。質の高い記事を、いままでの2倍のペースで作らなければならないのだとしたら、そのためにはどんなパフォーマンスが求められるのでしょうか。そのパフォーマンスを、どうやって達成すればいいでしょうか。

効果的な知識やメソッド、道具を使い、同じことであっても効率よくやれるようにできるかもしれません。部分的に違うやり方を取り入れれば、より効果的に活動できるかもしれません。

いまできることを工夫して、組み合わせて、パフォーマンスを実現することができれば、それは新しいスキルや魔法のように、目標達成を力強く支援してくれるはずです。

量は質に転化する

もっとストレートに「行動レパートリー」を獲得する方法もあります。それは練習することです。繰り返し試みることです。

量は質に転化します。技術を伸ばしてくれるものは、基本的に「量」なのです。技術が伸びることは、ダイレクトに行動の効果や効率に影響します。いままで同じことをしていても、自然と高いパフォーマンスが発揮できるようになります。

しかし、練習量を増やすといっても根性だけでは難しいでしょう。練習するのは面倒なものです。こういう場合は、練習するしかない環境や状況を作るのがいいです。

例えば、僕たち行動アシストラボでは、毎週「ABC分析会」という練習会を開いています。そこに参加し、分析担当者に選ばれた場合、必ずABC分析をやらなければいけなくなります。強制的に練習することになるのです。

装備やゴールドを増やすように「リソース」を手に入れる

ボスキャラを倒し、リソースを増やす

ロールプレイングゲームでボスキャラを倒したと時に嬉しいのは、雑魚キャラに比べて大きな経験値が貰えたり、レアアイテムが貰えたりすることでしょう。倒すのは大変ですが、倒せた時の報酬も大きいのです。

ゲームにおいて経験値や新しい装備は、不可逆なものです。特殊なイベントでも起きない限り、弱くなったりすることはありません。どんどん強くなっていきます。

現実において状況をより有利にしてくれるものは「リソース」です。リソースとは、簡単にいえばヒト・モノ・カネ・時間。リソースが豊富であれば、選択の幅が拡がります。例えば、お金が十分にあれば、目先の利益を度外視して投資的な活動を増やすことができるかもしれませんね。

リソースを拡大させてくれる課題をボスキャラと捉え、チャレンジし、乗り越えていきたいものです。

いつもじゃなくて、一時的に頑張る

さて、ゲームでボスキャラを倒すはの、ちょっと大変です。一時的にレベル上げやお金稼ぎに必死にならなければいけないかもしれません。リソースを拡大してくれる課題をクリアする場合も、いつもより「頑張る」べき時なのかもしれません。

一方、僕たちは常に頑張り続けることはできません。毎日毎日をフラフラになるまで全力疾走できるなら、それは理想的かもしれませんが、実際はどこかで力尽き、燃え尽きてしまうでしょう。

僕たちにできるのは「一時的に頑張る」ことです。短距離走を繰り返すイメージですが、大切なのはその「一時的な頑張り」をどこで使うかということ。

リソースが拡大することを意図して「頑張り」を使う

どこで頑張り使うのか。それはもちろん「リソースの拡大のため」です。頑張ることで、目標達成に有利な状況を作ってください。経験値が増えたり、レアアイテムが貰えたりするかのように、リソースが拡大することを意識します。

例えば、何かセミナーを開催し有名講師を呼んで、100人の受講生を集めることにしたとします。きっと凄く頑張る必要があるでしょう。頑張って100人集めて成功した!と喜び合うのもいいのですが、それだとリソースの拡大になりません。

では、そのセミナーの内容に関連したお試し商品を用意しておいて、セミナー中に案内し、欲しい人にはメールアドレスを登録してもらうようにするとどうでしょうか。100人のうち何割かが登録してくれれば見込み客リストになりますので、それはリソースの拡大といえます。興味を持ってくれた人たちですので、本格的に商品を販売する際に、優先的に案内すると喜ばれるかもしれません。

頑張るのは大変です。大変だからこそ、頑張った後には以前より有利な状況を作れるようにするといいでしょう。

仲間や村人、王様のような「社会的随伴性」を手に入れる

僕たちにも仲間や村人、王様がいれば心強い

ロールプレイングゲームには、主人公の行動を支援してくれる人々が用意されています。その人たちは主人公を応援してくれたり、賞賛してくれたり、ヒントをくれたり、一緒に戦ってくれたりと様々な面で行動を支援してくれます。

現実でもそんな人たちが居てくれれば、とても心強いですよね。では、どうすれば僕たちを支援してくれる人たちに出会えるのでしょうか。2つ考えられます。

仲間とは偶然出会い、必然的に声をかける

1つは同じ目的を共有できる仲間を増やすことです。簡単には見つかりません。ブログやSNSで「仲間募集!」と発信しても、そうそう見つからないでしょう。

僕の経験上、仲間との出会いは「偶然」です。飲み会で偶々隣に座っているかもしれません。あなたのセミナーに受講者として参加しているかもしれません。人づてで紹介されるかもしれません。ブログのコメントでよくやり取りする人かもしれません。趣味のサークルで出会うかもしれません。

人と人の出会いですので、色んなパターンが考えられます。出会いをコントロールすることはできませんが、偶然の導きによって出会うことができたなら、是非、直接声をかけてみてください。一緒に何かやりませんか、と。

そうやって1人ずつつながりを作っていくと、ふと気づくと周りに志を同じくする仲間が集っていたりするものです。

あなたの活動を心待ちにするファン

もう1つはファンを増やすことです。ファンとは、あなたの活動を評価し、信頼してくれる人たちのことです。あなたの活動を心待ちにしてくれている人たちのことです。あなたの活動を必要としてくれている人たちです。

そんなファンを増やすためには、あなたの活動に興味を持ってくれた時に「つながる」ための仕掛けを用意しておいてください。メルマガへの登録だとか、Youtubeチャンネルへの登録などは、つながるための仕掛けの一つですね。

ファンとの出会いもおそらく最初は偶然です。偶然出会って、偶々興味を持ってくれた誰か。その偶然の出会いを形にするために、つながるための仕掛けを必ず用意しておいてください。

ファンを増やすことはとても地道な活動になりますが、あなたを評価し、信頼してくれる人々は、あなたの活動を支えてくれる非常に重要なものの一つなのです。

まとめ

ロールプレイングゲームと比較して分かった行動継続の難しさ

本記事では、ロールプレイングゲームと比較しながら、僕たちの目標達成の活動を継続することの難しさを考えることから始めました。

現実には「スライムや村人、王様」のように、初期段階の行動を軌道に乗せてくれる装置はありません。ステータスのように努力の成果を分かりやすく示してくれるものもありません。適度な壁となって、頑張り方を示してくれるボスキャラもいません。

ないないばかりで、行動を継続することの難しさが分かります。

適度な困難を用意して、成功体験を得る

だから闇雲に頑張るのではなく、行動を続けるための工夫が必要になります。

行動を続けるためのカギは「強化」にあります。行動に伴って求めている変化が生じるようになっていれば、基本的に行動は継続します。行動が強化されやすくなる工夫をするといいのです。

そのためにまず考えておきたいのが、目標達成のプロセスをストーリー化することです。難易度の低い行動目標から、難易度の高い成果目標をボスキャラのように配置し、小さな挫折とチャレンジの物語を用意します。

頑張ってボスキャラを倒しきる頃には、最終目標の達成は目の前に来ていることでしょう。物語があれば、僕たちはどう頑張れば良いかが見えてきます。

目標達成をロールプレイングゲームにする3つのアイデア

またストーリー化だけではなく、ロールプレイングゲームの行動を支援する仕掛けを、実際の活動へも応用していくといいでしょう。そのためのアイデアを3つ、お伝えしました。

  1. スキルや魔法を覚えるように「行動レパートリー」を手に入れる
  2. 装備やゴールドを増やすように「リソース」を手に入れる
  3. 仲間や村人、王様のような「社会的随伴性」を手に入れる

これらのアイデアを活用することができれば、僕たちの目標達成のプロセスは挫折しにくい、より確かなものへと進化します。

行動分析学という武器で手に入れた継続力を活用し、目標達成という名のロールプレイングゲームを、楽しみながらクリアしていくことを願っています。