行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

本気で目標に取り組めないなら、成果ではなく行動をターゲットにしよう。

Q.
本気で目標に取り組めなくて悩んでいます。モチベーションが低いのが問題なのかもしれません。 f:id:h-yano:20161023144706p:plain:w450

A.
欲しい成果であるにも関わらず本気になれないと感じることが多いようでいあれば、その成果を目標とするのは難易度が高すぎます。まずは「本気で行動できたことを実感する」ことを目標としましょう。

解説:成果の達成ではなく「本気で行動する」こと自体を目標にしてみる

行動分析学的には当然ではありますが、本気になれないことが目標に取り組めない原因ではありません。本気になれないという評価は循環論ですね。レッテル貼りをしているだけのようなものです。

さて、では、どういうときに本気になれないと感じてしまうのでしょうか。

1つは自分の行動のリレキを振り返った時でしょう。十分に行動できていないと判断すれば、本気じゃないのかなぁと評価してしまうかもしれません。

それともう1つ、現在の自分の状態(感情や思考)を観察した時に、本気じゃないなぁと評価してしまうこともありそうです。

まず前者について考えてみますが、十分に行動できないというのはつまるところ「行動が強化されていない」か「行動が弱化されている」かのどちらかになります。だから行動できなかったり、しづらかったりするわけですね。

そして後者についてですが、これも結局は同じなんです。行動しても強化となるような変化が生じなければ、僕たちの体験には無力感や挫折感が伴うことでしょう。行動して弱化されるようであれば、嫌悪的な体験が伴うことが多いはずです。

そのような体験が現在の状態に影響を与えるのであれば、本気っぽい状態とはかけ離れたものになりそうですね。

というわけで、今のあなたの行動レパートリーやリソースの状況から、その目標に取り組んでも良い経験を得るのは難しそうです。ですので、目標をシフトするといいでしょう。

成果の達成ではなく、行動の達成を目指す目標にしてみてください。行動目標というやつです。

そもそも「本気でやってんだな」って思える時って、「なかなか結果が伴わないのに粘り強く行動できている状態」じゃないかと思うのです。

だから「結果が出ようが出まいが、これだけの行動ができたら本気だって思える基準」が、あなたが持つべき目標です。

この目標を達成した時に得られる報酬は、本気で頑張れた自分を実感できること。そんな自分になってしまえば、成果を目指して粘り強く取り組むこともできそうですよね。

本記事の更に詳細な解説は下記の記事にあります。

www.behavior-assist.jp