行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

決断とは後戻りのできないポイントを超える行動を選ぶこと

Q.
やると決めてはじめたものの、しばらくすると止めてしまいます。決断力がないのでしょうか。

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A.
決めただけでは行動は変わりません。行動の環境を変え、しかも簡単に実行できることを選択し、やってみてください。

解説:選択によって後戻りのない転換点を作り出そう

決めただけでは「行動できる環境」にはならない

決断するというのは、それを決めた瞬間にテンションが上がり、そこからまるで人生が変わるかのように感じてしまうものです。しかし、実際にはそこまでの力はありません。瞬間的な感情の昂ぶりと、行動の変化はあまり関係がないのです。

つまり、やると決めて始めたことを途中で止めてしまう、というのは何もおかしなことではなく、ごくごく当り前のことです。

行動することによって、どんな結果が得られるか重要なのです。行動して分かりやすいメリットが得られるのであれば、その行動は実行しやすいことでしょう。しかし、そのメリットが小さかったり、結果が得られる見通しが立たないようだと、行動するのは難しくなります。

繰り返しますが、行動するためには分かりやすく確実なメリットが必要なのです。

メリットのある結果は、行動と環境とが相互作用することによって生じます。つまり、環境を変えることで行動に伴う結果が変わり、結果が変わることで行動が変わるのです。

しかし、決断それ自体には環境を変える力はありません。つまり行動を変える力もほとんどありません。ただそれだけのことなのです。

何を選択して実行するかが重要です

何かをやろうと決めるのであれば、少し賢い選択をする必要があります。結論からいえば、「簡単に実行できて、かつ行動できる環境を作るアクション」を選ばなければなりません。

例えば、あなたが起業することを計画していて、副業が軌道に乗ったら会社を辞めようと考えたとしましょう。もう絶対にそうしよう!と心に固く誓っていたとしましょう。

でも、なかなか副業のための行動ができずに時間だけが過ぎていくのであれば、行動するための環境にはなっていないといえます。

ではこの状況において「行動できる環境」を作るアクションとは何でしょうか。もしかしたら、会社を辞めることを上司に伝えてしまうことかもしれません。そうすれば収入源を作るために必死になるかもしれませんね。ちょっとリスクが高いのがあれですが。

あとは副業の内容にもよりますが、セミナーを開催する日を決めて会場を予約してしまうとか、副業に集中して取り組むために月額制のオフィスを借りてしまうなども、行動できる環境づくりにはいい方法でしょう。やらなければ使ったお金が無駄になってしまいますので、そういうのが嫌な人はこれで行動できるかもしれません。

何れにせよ「行動を取り巻く環境を転換させてしまう選択」というのがあり、やると決めるというのはつまりそういう選択を実行するということなのです。環境が行動する方向へと転換すれが、それ以降の行動は容易になります。決めた通りに行動できたように感じられることでしょう。