行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

”行動のつまづき”への対応力が欲しいなら行動分析学を学ぼう

Q.
行動につまづいてしまった時の挽回の仕方が分からない。

A.
”行動のつまづき”に対応する技術を学びましょう。簡単にいうと、自分の行動の現状について理解する技術、そしてその理解にもとづいて行動の問題に対処する技術の2つが必要です。おすすめなのは「行動分析学」を学ぶことです。

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行動につまづいた時、どうしたらいいか分からなくなる理由

行動できない理由を何となく説明できた気になっていないか?

順調に行動できていたはずなのに、何かの拍子に行動できなくなってしまい、そこからなかなか復帰できなくなることがあります。行動につまづいてしまった時、どうすればいいのでしょうか。

”行動のつまづき”からなかなか復帰できないのは、第一に自分の行動の現状について正しく理解できていないためです。第二に仮に理解できていたとしても、その理解に基づいた対処の引き出しが不足しているためです。

多くの場合、行動につまづいた時、その理由を自分の内側に求めます。例えば、やる気が出なくなったんです…とか、やりたいことじゃなかったのかも…とか、何となく調子が悪くて…等。しかし、実はこれらは循環論といって、行動の原因について全く説明できていないのです。このあたりの詳しい説明は下記の記事を読んでみてください。

www.behavior-assist.jp

行動の法則に則った理解と対処を

”行動のつまづき”への対応力が欲しいのであれば、まずはちゃんと自分の行動の原因について、行動の法則に則った説明ができるようになることです。正しく行動の原因を捉えることができれば、それに対応した手を打つことも可能になります。

循環論で何となく説明できた気になっていては、永遠に行動のつまづきに対処する能力を得ることはできないでしょう。

行動につまづいた時の対応力

先ほども書きましたが、行動のつまづきに対応するためには次の2つの技術が必要です。

  1. 行動の現状について理解する技術
  2. 理解に基づき、行動の問題に対処する技術

行動の機能を理解するための枠組みがある

行動について理解するとは、より正確には「行動の機能」について理解するということです。行動はそれ単体だけをみていても、なぜ行動が”そう”なっているのかを読み解くことはできません。行動は、

  • その行動が生じた背景
  • 具体的にどのようなことをやっているのか
  • 行動した結果、何が起きているのか(あるいは起きていないのか)

の3点について分析してはじめてその実態を理解することができます。

こういった行動を読み解くための枠組みを知り、かつその枠組を使って行動を説明・記述することを繰り返して、ようやく行動を理解する技術が身に付いてきます。

行動の問題に対処するための具体的な方法がある

また理解に基づき、行動の問題に対処する技術も必要になります。行動について現状が把握できたとしても、その行動が理想に近づくように変えられないのであれば意味がありません。行動の問題は様々なバリエーションがありますが、それらに対応するための引き出しが必要なのです。

行動の問題への対処法は、大きく3つに分かれます。

  1. 十分なレベルで実行できるようにする(行動・スキルの獲得)
  2. 問題となっている行動を無くす、あるいは減らす
  3. 不足している本来やるべき行動を増やす

それぞれに具体的なテクニックがいくつかありますが、どのテクニックを使うべきかは行動の現状がどうなっているかによるわけです。行動を理解し、何が問題かを正確に把握し、それにあった方法で対処する。書くと当り前のことですが、多くの場合は最初のステップである理解の部分から勘違いしてしまっているようです。

答えは全て「行動分析学」にある

ですので、まずは行動の読み解き方について学ぶと良いでしょう。お勧めなのは「行動分析学」について学ぶことです。幾つか本をピックアップしておきますので、もしよかったら読んでみてください。

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

ケーススタディから学ぶ

行動を理解する知識と技術、および行動の問題に対処する知識と技術が身に付くと、次のように”行動のつまづき”に対して解決策を導き出すことも可能になります。ケーススタディとして幾つかの記事のリンクをご紹介しておきますので、気になるテーマの記事があれば是非読んでみてください。

ケース1:〆切ギリギリになるまで行動できない

期限ギリギリにならないと動き出せないという、いわゆる「先延ばし癖」をどう理解し、どう対処すればいいのか。 www.behavior-assist.jp

ケース2:考えすぎて行動できない

考えすぎてしまって行動できないという悩みに対処するには。 www.behavior-assist.jp

ケース3:家に帰るとやる気が出ない

仕事が終わって家に帰るとやる気が出ない。本当はもっと勉強や副業をしたいのに。 www.behavior-assist.jp

ケース4:熱くなれない、本気になれない

めんどくさがりで何事にも熱くなれない…このままで大丈夫なのだろうか。 www.behavior-assist.jp

ケース5:スマホに現実逃避

スマホに現実逃避してばかりで仕事が進まない。なんとかしたい。 www.behavior-assist.jp