行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

やりたいと思ったらすぐに実行できるようになりたい

Q.
”○○がやりたい”と思いつくけど、すぐに行動できない。思いついたら、なるべく早く実行できるようになりたい。

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A.
やりたいことについての具体的な行動が書き出せるのであれば、適切なタイミングで行動を促すためのきっかけ(プロンプトや弁別刺激)が提示されるように工夫しましょう。具体的な行動がすぐに出てこないのであれば、課題分析でスモールステップに分解しましょう。

解説:適切なタイミングのきっかけと具体的な行動のリストを作る

実際に行動するタイミングに「きっかけ」をおいておく

まず「思いつくこと」は行動に対してどのように働くのでしょうか。大抵は「プロンプト」または「弁別刺激」として機能するものと思われます。

プロンプトや弁別刺激は、行動に対して適切なタイミングで提示されなければ、行動に影響を与えません。例えば、まっすぐ歩こうとしている時に、横断歩道の信号が青になっても、別に渡ろうとしているわけではないので歩く方向は変わらないでしょう。

何かをやろうと思いついたとしても、いままさに行動すべき状況にないのでしたら、渡るつもりのない横断歩道の青信号と同じです。行動に影響を与えることはありません。

ですので、この問のポイントの一つは、何かをやろうと思いついた時、それを実際に実行するタイミングで青信号に該当するプロンプトや弁別刺激が提示されるよう、予め仕掛けを作っておくことです。

特に弁別刺激が適切なタイミングで提示されれば行動が強化されるので、行動を起こしやすくなりますので、おすすめです。行動契約を使うと良いかもしれません。

曖昧な行動を具体的な行動のリストに分解する

思いついたことを行動に移せない場合、もう一つ、大きな問題があります。それはやろうと思ったことを具体的な行動のかたまりとして記述できるかということです。

やろうと思ったことを一度、課題分析してみてください。スモールステップに分解して、やりたいことができたと言えるためには、どのような一連の行動を実行できたことを指しているのかを具体的にしてみましょう。

もし課題分析・・・スモールステップへの分解すらできないという場合は、やろうとしていることについての知識が不足しています。やり方についての情報を収集するなり、誰かのやり方をモデリングするなりして、まずはスモールステップに分解することを目指してみてください。