行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

バックアップ行動を用意すれば習慣の継続は容易になる

一度習慣化できたことであっても、何かの理由で一時的に止まってしまうと、再開するのが困難になります。再開するのが不可能とはいいませんが、結構大変なので、可能な限り習慣を途切れさせないための工夫が必要です。

その工夫の一つが「バックアップ行動」。

様々な状況に対応できる「代わりの行動」を用意しておきましょう。それだけで習慣が継続する可能性は高くなります。本記事ではそのバックアップ行動の働き、見つけ方のポイントについてお伝えしています。

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習慣が取り切れる危機がやってくる

上手く習慣化できたはずの行動が、ある日、継続困難な状況に陥って、それ以降続かなくなってしまうことがあります。

例えば。毎週のようにジョギングできていたのに、雨の多い時期に入ってなかなか走りに行く機会を得られないでいました。しばらくして雨季を抜けて晴れた日が続くようになったけど、なぜか元のペースでジョギングにいくことができなくなりました。

あるいは。毎日ようにブログを書くことができていたはずなのに、仕事が忙しくなってしまって書く時間が取れない日々が続きました。ようやく仕事が落ち着いてきてブログも再開しようと思ったものの、2〜3日書いたらそれ以降、ピタッと書くことが無くなってしまいました。

習慣が途切れる時は突然やってきます。一時的に継続困難な状況に陥ると、元の状況に戻っても一旦止めてしまった習慣を以前のペースで再開するのは難しいようです。

理由は色々考えられますが、一つ言いたいことは「一度ペースを掴んだ習慣は、可能な限り途切れさせてはいけない」ということ。再開することは不可能ではありませんが、かなり困難なのです。

バックアップ行動の備えが僕たちを助けてくれる

習慣を途切れさせないためには、様々な状況に対応できる代わりの行動を持っておくべきです。この代わりの行動のことをバックアップ行動といいます(勝手にそう呼んでるだけですがw)。

例えばジョギングのバックアップ行動を考えてみましょう。雨で外にジョギングに行けない場合、何がバックアップ行動となるでしょうか。シンプルに考えると、スポーツクラブ等に行ってランニングマシンを使う方法がありそうです。

あるいはジョギングによって得られているものから考えてみてもいいでしょう。ダイエットのためにカロリー消費を得ているのであれば、ジョギングと同等のカロリー消費が見込める室内でできる運動でもいいですね。健康にいいからという理由でジョギングしているなら、やはりジョギングと同等の健康効果が見込める室内でできる運動を探せばいいです。

ポイントは「同じ効果が見込める別の行動」です。ジョギングという「形」にこだわり続ける必要はありません。等価で置き換え可能な別の行動を探してみてください。そういった行動の引き出しが増えれば増えるほど、状況に対して柔軟に対応できるようになります。

ピンチはチャンス、バックアップ行動を手に入れよう

とはいえ、普通にジョギングができる状況であれば、わざわざバックアップ行動を探そうとはしないでしょう。バックアップ行動を探すのに最適なタイミングは、ジョギングができなくなった時です。

ジョギングができない状況というのは、習慣が途切れるかもしれないピンチでもあります。しかし、その状況だからこそ、バックアップ行動を検討する強制力が働きます。ジョギングはできないかもしれないけど、同等の効果を持つ別の行動は無いか考えてみてください。試してみてください。

もしかしたら、隣駅から歩くだけでいいかもしれませんね。

ブログの更新だって同じです。仕事が忙しくなれば、いつものような書き方はできないかもしれません。でも、ブログの書き方は色んな方法があります。文章を完成させるまで細かくステップに区切る方法もあれば、一気に書いてしまう方法もあるでしょう。ネタの見つけ方だって様々な方法があるはずです。

”ブログを書く”にはたくさんの小さな具体的行動が含まれています。そのあたりを整理した上で、個々の具体的行動について置き掛け可能な別の行動を探してみるといいでしょう。

いつもは文章としてまとめる内容を机の上でノートを拡げて検討しているかもしれません。でも仕事が忙しくてそんな時間が取れないなら、移動時間、歩きながら頭の中で書くべき内容を検討できるかもしれません。電車で立っているときに、スマホで簡単に箇条書きにしながら検討できるかもしれません。

いずれにせよ今までの方法でブログを書くことが難しくなった時こそチャンスです。今の状況であっても、これまでと同じくらいの記事を書くために、何ができるかを探してみてください。

バックアップ行動が見つかれば見つかっただけ、様々な状況に対応しやすくなり、結果、習慣の継続が容易になるのです。

まとめ

本記事でお伝えしたことは次の3点です。

  1. 習慣化できたことであっても、状況が変わって一時的にでも途切れさせてしまうと、再開するのは困難である。一度ペースを掴んだ習慣は、可能な限り途切れさせてはいけない。
  2. 様々な状況に対応しながら習慣を継続するために、バックアップ行動を用意しておこう。バックアップ行動とは、習慣化の対象行動と同じ効果を持った別の行動のことである。バックアップ行動があれば継続困難な状況にも柔軟に対応できる。
  3. バックアップ行動は、今まさに習慣が途切れようとしているときに見つけるといい。何とか習慣を継続しようとする強制力が、バックアップ行動を探す手助けをしてくれる。