来月から本気出そうと思うんです。いや、マジで来月はやりますよ。
…という感じの表現って、なかなか行動に落とし込まれないですよね。こういうのは単なるスローガンであって、気分だけは問題を解決したかのようになりますが、実際の行動は変わらないってパターンに嵌りがち。
何が良くないのかというと、色々あるのですがまずは「具体的に考えることができていない」という点。具体的に考えることは行動するためのスタートライン。
なのでスローガンのような抽象的な表現で終わらせちゃっていることが多いなら、まずは具体的に考えるトレーニングに取り組んでみるといいですよ。詳しくは以下に。
実践派のための必須スキル「具体的思考」
具体的に考えることは、行動にどう影響するでしょうか。具体的に考えられないことで、何がまずいのかを知っておきましょう。
基本的に具体化されないものは行動に落とし込むことができません。
例えば、ダイエットしよう!と考えたとします。ここからどのような行動に落とし込むことができるでしょうか?
ダイエットについて幾つかの選択肢を持っている人であれば、やるべき行動が幾つか思い浮かぶかもしれません。しかし、あまりダイエットに興味がなくて、そういった情報に触れてこなかった人だと、ダイエットしよう!と思っても実際に動くことはできません。
ダイエットのような普遍的、一般的なテーマだとちょっと納得しにくいかと思いますが、次のようなものだといかがでしょうか?
- ブログのアクセスを増やそう!
- 本を出版しよう!
- 来月は頑張ろう!
どれも○○しよう的な表現で一見すると行動にみえますが、ブログや出版の知識・経験がない人は何をしたらいいか戸惑ってしまうでしょう。ましてや「来月は頑張ろう」は何を頑張るのかも分かりませんね。
それぞれについてしっかりとした知識や経験がある人なら、方向性を示す表現として活用することはできますが、そうでない人にとっては全く役に立たない表現です。
このような「達成すべき結果をまるで行動のように扱うこと(ブログのアクセスUP、出版等)」や「ただのスローガン(来月は頑張ろう等)」は、行動に落とし込めない表現であり、ここに留まる限り実践不可能です。
具体的に考えるとはどういうことか
では具体的に考えるとはどういうことでしょうか。
具体性は考え始めるとキリの無いテーマでもあります。例えば「水を飲む」という表現は具体的でしょうか。そうとも言えるし、そうでないとも言えます。
水を飲むという表現は、おそらく十分に行動に落とし込むことはできるでしょう。しかし状況によっては、これですら具体的でない場合もあります。夏の暑い日、運動する時は30分おきにスポーツドリンクを飲む。状況を考慮すれば、ここまで具体的にすることもできます。
行動に落とし込むことを前提として考えた場合、十分な具体性とは「対象とする状況において有効な行動が表現されていること」となります。
またそのレベルの表現ができていることをチェックする方法として「ビデオクリップ法」というものがあります。
夏の暑い日、運動をしているという状況を想定し、そこで水分を摂取する場面を映像としてイメージしてみてください。その映像に写っているものを表現することで、行動するのに十分なレベルの具体性が得られます。
例えば「前回の水分摂取から30分経過したことをコーチから告げられたので、一旦運動を止め、ベンチにおいておいたスポーツドリンクを手にとって飲んだ」といった感じになります。
先に出した例でも同じように具体的にしてみます。
ブログのアクセスを増やす!であれば
- 仕事から帰宅し晩御飯を食べた後に、30分のタイマーをセットし、今日ブログに書く内容やアイデアをノートにまとめた
- GoogleのSearch Consoleを使って、どういうキーワードで検索されているかを確認し、修正対象の記事をピックアップした
といった表現になります。あるいは本を出版する!であれば、
- 出版コンサルタントをしている人をGoogleで検索し、問い合わせフォームから具体的にはどのようなサポートが受けられるかを質問した
- Webから出版企画書のテンプレートをダウンロードし、3つ書き込んでみて実際に出版社に送る企画書を1つ選択した
等です。
具体的思考のトレーニング方法
具体的に考える能力は、トレーニングすれば伸ばせます。それはイコールで行動する力にも繋がるため、行動力を高めたい人は具体的に考える力も鍛えておいた方がいいでしょう。
トレーニング方法は簡単です。色々浮かんでくる”考え”について「例えば?」と問いかけて答えるだけ。
やってみると分かりますが、結構頭に負担がかかることが分かります。僕たちは抽象的に省略して考えることに慣れすぎているため、ある考えについての具体例をあげようとすると思考停止に陥ることがあります。
最初は自分にとって馴染みのある分野で練習してみるといいかもしれませんね。
ダイエットについてある程度の知識があるなら「痩せるために食事制限しよう。例えば…」や「過度な食事制限は良くないので運動も組み合わせて痩せよう。例えば…」と考えてみるといいでしょう。
会話している最中でもトレーニングはできます。例えば「私、来月は頑張りたいんだよね!例えば…○○や○○をやってみるつもり」や「最近、やる気があまり出ないんだよね。例えば…○○なときに××な感じがして、結局△△になる」等。
慣れてきたら色々なものについて「例えば?」と自問してみてください。次第に具体的に考える癖が身に付いてきます。
例えば?に答える際は、すでに紹介したビデオクリップ法を意識するといいでしょう。その状況でどう行動するかを映像に写してみて、その内容を説明するように表現してみてください。
単に決意表明やスローガンで終わるのではなく、このように具体的に考え、行動に落とし込むことができれば、そこに「行動が変わる可能性」が生まれます。スタートラインに立てるといってもいいです。ぜひ具体的に考える力を伸ばしてください。
まとめ
本記事でお伝えしたのは次の3つです。
- 具体的に考える力がないと「達成すべき結果をまるで行動のように扱う」とか「ただのスローガン」に終始してしまい、自分の希望や意図を行動に落とし込むことができない。
- 具体的な表現は、その状況において行動している場面を映像に写し、その映像の内容を説明することによって得られる。これをビデオクリップ法という。
- 具体的に考える力を伸ばすために、頭に浮かんできた様々な”考え”に対し「例えば?」と問いかけ答えてみよう。最初は馴染みのある分野でやってみて、慣れてきたらジャンルを問わずに具体例を考えてみるといいだろう。具体的に考えることができれば、行動を変えるためのスタートラインに立てる。