行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

〆切が近くて切羽詰まっているので効率を上げる工夫をしたい

Q.
〆切が迫って切羽詰まっています。いまからでも何とか効率を上げられないでしょうか。

f:id:h-yano:20170305224358j:plain

A.
残念ながらいまからでは難しいです。工夫するためにはある程度のゆとりが必要なのです。工夫している間は作業自体が止まりますし、しかもその工夫が必ず上手くいくとも限りません。〆切間際で切羽詰まっている状況では、そういった工夫のための時間と労力を使うことに耐えられないでしょう。 勝負はスタートする前に決まっているのです。切羽詰まってからはすでにある引き出しで勝負するしかありません。いまの作業が終わったら、是非、引き出すを増やすための工夫に取り組んでみてください。

解説:今回は手持ちの選択肢で頑張ろう。次回に備えて試行錯誤しよう。

切羽詰まっている状況が、工夫するための余裕を与えてくれない

〆切間際のプレッシャーというのは辛いものです。なので、できるのであれば少しでも効率を上げて、作業を前に進めたいですよね。そのために何か工夫ができないか…という話なわけです。

しかし、これは残念ながら困難だと言わざるを得ません。工夫することには試行錯誤が伴います。こうしたら効率が上がるのでは…と仮説を立てて試してみることの繰り返しです。

そんな悠長なことを果たして〆切間際の切羽詰まっている状況でできるものでしょうか。ちょっと難しいのではないかなぁ、と思います。

試行錯誤している間は本来の作業が止まってしまいますし、作業が止まっているというプレッシャーに晒されながら試行錯誤を繰り返すのは、精神的にも時間的にも厳しいのではないかと。

結局のところ追い込まれる前に何が準備できていたかが全て

結局のところ、一度追い込まれてしまったら、その間はすでに持っている手札で効率化するしかないのです。

キーボードショートカットをフル活用したり、GTDで仕事を管理してみたり、誰か慣れた相手に作業を外注してみたり…。これまでにやったことのある工夫で、効果が上がったものがあるのであれば、それを試してみるのがいいでしょう。

質問者にとって大切なのは、次回また同じような事態に陥るかもしれないことを想定し、仕事を効率化させるための選択肢を増やしていくことです。

いまの仕事のやり方をチェックして、フラストレーションを感じているところや、煩わしさを感じているところをどうにかできないか、試行錯誤してみてください。これはゆとりがあるときにこそやるべきことだと思います。

…とはいえ、僕たちはゆとりがあるときにはなかなか行動しない生き物でもあります。なので、本当に切羽詰まって追い詰められるまで待つのではなくて、ちょっと忙しくなってきたな…という兆しを感じたら、効率化の工夫に取り組んでみるといいのではないでしょうか。