行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

すぐに始められずダラダラ時間だけが過ぎていく問題を解決する3つの方法

今日は〇〇をやろう、と思っていたのに手を付けることなくダラダラと時間だけが過ぎていくことがあります。

この問題はとりわけ、制約の少ない状況 ー 例えば自営業で就業時間の制約が無かったり、休日に副業に取り組もうとしているとき、同僚や上司の目がなく一人だけで作業しているとき等 ー で顕著に現れます。

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本来やろうとしていることの代わりに何をやっているかというと、それ以外のやりやすい全てのこと、でしょうか。食事やお酒かもしれませんし、睡眠かもしれませんし、ゲームかもしれませんし、読書かもしれません。

僕たちには習慣的に行っていることがあり、それらの行動には何らかの魅力が付随しています。

もちろんそれらの行動の全てがマズイわけではありません。食事や睡眠は生きるために必須でしょうし、ゲームや読書だって日常を楽しく彩る活動の一つです。

しかしながら、問題はそれらによって本来やろうとしていたことが妨げられていて、それが本意ではない場合です。ただただ時間を無駄にしてしまった、という感想しか残らないのであれば、何らかの手を打ちたいものですね。

ライバル行動とターゲット行動の関係を知る

本来やりたいことの妨げになっている行動のことを「ライバル行動」、そして本来やりたいことを「ターゲット行動」と呼びます。

僕たちは、ターゲット行動よりもライバル行動を優先してしまうのでしょうか。

理由は3つです。

  1. ライバル行動に付随する魅力を得られる
  2. ターゲット行動に付随する”辛さ”を回避できる
  3. ターゲット行動に付随する魅力が小さい

ライバル行動の魅力に抗うには?

ライバル行動に付随する魅力は、とても強力です。ゲームや読書、動画などは僕たちを夢中にさせ、時間をどんどん奪っていきます。

先程書いたとおり、それ自体は問題ではありません。その時間の費やし方が本来望むものと違う場合に、問題になります。

ライバル行動の魅力に意思の力で抗うのは困難です。やれば楽しいので、どうしたって手が伸びてしまうのです。ライバル行動が身近にある限り、本来やりたいことにはなかなか手がつけられないでしょう。ちょっとだけと思っていても、思いの外、時間を使ってしまいます。

ライバル行動が問題となっている場合の基本的な解決策は、ライバル行動にアクセスが困難な環境を作ることです。Youtube等にアクセスできなくなるアプリを導入したり、スマホを遠くに置いたり、外に出かけてネット環境の無いところで作業したりといった工夫が考えられます。

とりわけ作業場所を自室から移す工夫は有効かもしれません。自分の部屋というのは、自分にとって快適になるよう最適化されていきますので、自室にいながらライバル行動を抑制するのは難しいでしょうから。

ターゲット行動の辛さを軽減する

次にターゲット行動の回避についてです。

本来やろうと思っていたことというのは、もしかしたら頭の中では「やりたい」と考えているのかもしれません。あるいは「やりたくはないけど、やった方がいいこと、やるべきこと」かもしれませんね。

どちらにせよ実際のターゲット行動には、何らかの「辛さ」が付随していることが多いです。それが新しいことへのチャレンジであれば、慣れないことそのものが辛さになります。あるいはやりたいことが持つ複雑さからくる負担感が辛さになることもあります。

僕たちはこういった辛さをなるべく避けようとしてしまいます。そしてライバル行動を実行していれば、その間はこの辛さを回避できます。大して面白くもないのにYoutubeをダラダラを観続けてしまったり、やたらと頻繁にコーヒーを入れにいったりするなら、この辛さの回避が原因かもしれませんね。

この場合の解決策は「スモーステップ」です。やろうとしていることについて、最初のステップをなるべく小さくしてしまいましょう。

ターゲット行動が小さくなれば、その分、辛さも小さくなります。辛さが小さくなれば、回避する理由も小さくなります。

小さなステップを繰り返しクリアしていけば、徐々にそのステップを大きくすることも可能でしょう。

ターゲット行動の魅力を高める

最後にターゲット行動に付随する魅力が小さい問題について考えてみます。

僕たちの本来やろうとしていることが、コツコツとして積み重ねによって成果が出るタイプの活動の場合、この問題が影響してきます。何とか行動することができたとしても、やれたという実感をなかなか得られません。これは典型的かつ難しい問題です。

この問題の解決策は、付加的な魅力を追加してしまうことです。

プレマックの原理を利用するのであれば、ターゲット行動を一定時間実行したらライバル行動をやってもいい、ということにする。

行動契約を利用するのであれば、ターゲット行動についての目標を設定し、それをクリアしたらペナルティを回避できることにする。

他人の評価・称賛を利用するのであれば、ターゲット行動について何らかの宣言をした上で、自分の活動が他人の目に触れるようにし、注目や評価を得られるようにする。

こういった工夫によって、ターゲット行動に付加的な魅力を追加することができます。行動することに十分な魅力があるなら、僕たちはそれを実行しやすくなります。

以上、3つの原因とそれぞれについて基本的な解決策を解説しました。他にも考えられることはあるのですが、ひとまずこれらを試してみるといいでしょう。