個人事業家・フリーランスのための行動分析学 - 行動アシストラボ 矢野浩史

僕たちは行動分析学をもっと”使える”道具にする。

本やセミナーでたくさん勉強するのに行動できない人への処方箋

Q.
本やセミナーで勉強するのは大好きなのですが、どうも行動まで結びつきません。何だか学びが無駄になっているように思えてきました。

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A.
本やセミナーで得た知識は万人に向けて一般化されたものです。いまの自分の現状に引きつけて具体的な行動へと落とし込んでみましょう。加えて、その行動が促されるように環境を工夫することでようやく行動できるようになります。

本やセミナーで学んだことが行動につながらない理由

本を読んで感銘を受けた、セミナーに参加してとても勉強になった。そう感じる人はたくさんいます。一方で、その後、実際に行動したかどうかを問うと、そうできる人は驚くほど少なくなります。一割以下ではないでしょうか。

なぜこんなにも学びを行動につなげることが難しいのでしょうか。

理由の1つは情報と気付きを得て満足してしまうパターン。素晴らしい学びのおかげで今後の展望が開けたような気がしますが、頭の中だけでバラ色の未来を描いて終わりになります。

モチベーションが上がったような気がしますが、それは気のせいで気分がよくなるだけの学びだった、ということです。

次の理由は学びを具体的な行動のリストへと落とし込んで満足してしまいパターン。行動をリストアップできたことで、まるでこれから行動することが確定したかのように勘違いしてしまっています。

行動をリストアップできている分、先程のケースよりはマシですが、何をするかを決めても、実際にそれを実行するかどうかはまた別の問題なのです。

行動は環境によって制御されます。自分の意図や意思がどうあろうとも、行動の環境が行動を促す方へと作用しなければ、僕たちは行動することはできません。この点については下記の記事に詳しく書きましたので参考にしてみてください。

www.behavior-assist.jp

さてそれでは本記事では、あなたに素晴らしい気づきをもたらした学びを、なるべく行動へと繋げられるような工夫についてお伝えしましょう。

得た知識・情報を「いまの自分の現状」に引きつけて活用しよう

本やセミナーで得られる情報は、多数に向け一般化されたものです。一般化された情報は多くの人の役に立ちますが、一方で「自分」という個人に特定して考えてみると、悩みや関心と具体的に関連付けできていません。

例えばあなたがダイエットしたいと考えていて、糖質制限が有効だと知ったと仮定しましょう。では、あなたが実際に糖質制限の食生活をするためには、どうすればいいでしょうか。

ここで必要なのが、自分の現状に引きつけて具体的に考える力です。

あなたのいまの食生活や活動パターン、食事の好み、どの程度痩せたいのか、どう痩せたいのか、仕事等の負担はどの程度か、どのような食べ物を入手可能か等、様々な条件によって実際に実行できることは異なります。

このような環境の違いを踏まえた上で、知識を「あなたが実行可能な、かつ意味のある行動」へと落とし込まなければなりません。

実行可能で意味のある行動へと具体化するためには、あなたの抱える欠乏や、いま興味関心を持っているテーマを把握しておきましょう。

欠乏とは例えば時間が足りない、お金が足りない、人間関係に不足を感じている等、何らかのリソースが欠乏している状態。欠乏はその時の自分にとって自然と解決したくなる重要な課題ですので、学んだことをいまの欠乏と関連付けて考えることができると、具体的に取り組むべき行動が見えてきやすいでしょう。

また欠乏と同様に「関心を持っているテーマ」と関係づけるのも有効です。いまスマホゲームに嵌っていたとして、もっとゲームを楽しめるように、あるいはもっと上手くプレイできるように、あるいはゲームへの関心を他の人の役に立てられるように等、具体的に活用する道を探してみましょう。

知識は一般化されているからこそ、思いの外、広い応用範囲をもっています。欠乏や関心あるテーマと関係させて具体的な行動へと落とし込むことも十分に可能なのです。

学びを行動につなげるポイント

ここまでは学びを具体的な行動に落とし込むための工夫でした。でも、最初に書いたように行動をリストアップしただけでは、その行動は実行されません。行動が促されるような環境を作る必要があります。

環境の整え方については、これも先程紹介した下記の記事をご覧いただくのがいいかと思います。

www.behavior-assist.jp

本稿ではそれに加え、1つだけポイントをお伝えしておきます。

それは「いまやろうとしていることに学びを載っけてしまう」ことです。あなたには日々の仕事であったり、あるいは新しく取り組もうとしていること等があるはず。その行動をより良く行うためのヒントを、得られた知識の中から抽出するのです。

すでにやっていることや、いままさに取り組もうとしていることは、行動するための環境が整っている可能性があります。その環境に乗っからせてもらえれば、わざわざ環境を作らなくてもすみます。

すでにやっていることを活用して、それをより良くするために学んだ知識を活用してみ見てください。比較的ラクに行動を軌道修正できるはずです。