行動科学実践の手引き。

人が自由に行動し、自由を謳歌するために、行動科学(行動分析学)の知識と実用的なノウハウを記す。

何事にも熱くなれない・・・?それでOK!それでも僕らは行動できる。

Q.
極度のめんどくさがりで、何事にも熱くなれません。行動できない大人になってしまいました。こんな自分を変えたいです。

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A.
めんどくさくたっていいじゃない。だって人間だもの(み○を)。面倒くさがりな自分のままで行動するための工夫をしましょう。

解説:性格はそのまま受け入れ、ただ行動についての工夫のみを考えよう

僕たちの行動の問題は2つに分けられる

人の行動に関する問題は、大きく2つに分けることができます。

  1. 思うように行動できないという「行動そのものの問題」
  2. 行動できない自分を評価しレッテルを貼り、そのレッテルを行動の原因としてしまう問題

本当は1の問題だけ対処すればいいのですが、2があるために問題が複雑化してしまいます。めんどくさがりだとか、熱くなれないというのは、2の問題ですね。行動できない自分の状態をみて、そう自分にレッテル貼って判断しているはずですから。

2の問題の特徴は、自分で問題を作り出している点にあります。何で面倒くさがりなんだろう、何で熱くなれないんだろうとか考え始めると、更にドツボに嵌まります。

個人的にはこの手の悩みが複雑化する背景には、深層意識だとか潜在意識といった概念を行動の問題に持ち込んだあたりにあるのでは、と考えてしまいます。自分の内面を掘り下げても、行動の問題は解決しないのであります。

この辺りを詳しく説明しはじめると長くなるので、もし興味があれば下記の記事を参照してみてください。納得していただけると思います。 www.behavior-assist.jp

極度のめんどくさがりでも、熱くなれなくても行動できる

ところで僕は自分のことを「極度のめんどくさがり」だと自己評価しています。それこそ毎日のように「めんどくせーなー」と呟いているわけです。

では、それで行動できないかというと、そうでもないです。行動をセルフマネジメントするために色々工夫していまして、最近ではまぁまぁいい感じなんじゃないかと思っています。

でも、めんどくさがりなんです。あまり熱くもなりません。

まぁ、めんどくさがりといった性格の問題と、行動の問題は分けて考えればいいのです。でもって性格の問題は、「だって人間だもの」といってお茶を濁しておけばいいのです。行動の問題に集中しましょう。

自分がどう考えようとも、行動が変われば体験が変わりますので、それでもって日常の質が変わります。性格をどうこうしようとせずに、単純により良く行動することを目指せば良いのであります。

セルフマネジメントで行動するための3つの工夫

セルフマネジメントで行動するための工夫は、これまた大きく分けて3つです。

  1. 行動に分かりやすく確実な結果が伴うようにする
  2. 道具や環境を調整したり、練習したりすることで行動の負担を減らす
  3. 行動で生じる結果がより魅力的になった瞬間を活かす

工夫1. 行動に分かりやすく確実な結果が伴うようにする

僕たちが面倒に感じてしまう場合、行動してもすぐに分かりやすい結果を得られないことが多いです。どちらかというと、たとえ結果がでなくてもコツコツを小さな努力を積み重ねた後に、ようやく目に見える成果を得られるようなもの。こんなん面倒くさくて当たり前だと思うのですよね。

なので工夫その1は「行動に分かりやすく確実な結果が伴うようにする」です。そのために使いやすいものは「行動契約」と「他人」です。行動契約については下記の記事を参照してみてください。時間割ゲームという30年くらい苦しんできた僕の先延ばし癖を解消した手法も書いています。 www.behavior-assist.jp

で、他人を使う方法なのですが、次のような話を聞いたことがあります。

Aさんは起業したはいいものの、それまであった勤務時間の縛りがなくなったため、だらだらと毎日を過ごすようになってしまった。昼過ぎに起きてきて、しばらくWebや動画を観たりして時間を無駄にし、夕方くらいからようやく働き始めるような状態。

このままではマズイと思ったAさんは、特に必要ないのにアルバイトを雇うことにした。アルバイトは9時に来てもらうことになっているので、少なくともそれまでに起きていなければならない。アルバイトが来ているのに、ダラダラと過ごすのも気まずい。結果として、Aさんの仕事のパフォーマンスは改善した。

聞いていてなかなか上手い工夫だなぁ、と思いました。僕自身も捗らない仕事を打ち合わせの現場に持っていって、その場で作業させてもらったことがあります。他人の視線というのは、僕たちに大きな影響を与えるものです。何故なら、「相手のネガティブな反応を避けることができた」という分かりやすい結果が伴うようになるからです。相手や仕事の内容によっては「ポジティブな反応」も伴うようになるかもしれませんね。

めんどくさがりで熱くなれない僕たちですから、一人で何とかしようと足掻くよりも、誰かの協力が得られた方が行動しやすくなるってもんです。

工夫2. 道具や環境を調整したり、練習したりすることで行動の負担を減らす

行動に使う道具を工夫することで、めっちゃくちゃ行動が簡単になることもあります。そもそもやろうとしている行動への負担感が大きい場合、どうしたって行動するのには不利なもの。だから、なるべく簡単に省エネで行動できるような工夫をしましょう。

IT関連が得意な方は、自動化・半自動化の仕組みを作るとラクでいいですよね。僕の場合は確定申告用のExcelシートを作成して、短時間で確定申告書の数字が出てくるような工夫をしたりしていました。いまはやり方を変えたので使っていませんが、初年度に取り組んだ時に比べてすごくラクになりました。

あとは練習を繰り返すと、その行動への負担感が減ることもあります。我が家ではご飯を炊くのに土鍋を使います。奥さんお気に入りの道具なのですが、僕は電子ジャーでしか炊いた経験がありません。だから、ご飯を炊いてと言われるとすごく負担感を感じていたんですね。でも、それだと奥さんの体調が悪い時とかに困ります。なので、何回か練習をさせてもらって慣れさせてもらいました。そうするとそんなに負担を感じずに炊けるようになったんです。

工夫3. 行動で生じる結果がより魅力的になった瞬間を活かす

面倒だなぁと感じている時は、行動に伴う結果にあまり魅力を感じていないこともあります。僕の場合、積読(買ったはいいけど読まずに積み上げてある本)状態の本がそれに該当します。買う時はワクワクしてるんですけどね。いざ手元に来る頃にはテンションが下がってて、何だか読む気になれないのです。

で、こういう時は本を読みたくなる瞬間を逃さないようにします。しばらく前に行動遺伝学についての本を買ったのですが、ぱらぱらとめくってみたところ難しそうで読む気が失せてしまいました。ところがある日、その本の著者が出演している動画を見かけたんです。偶々なのですが。で、見てみたらこれが面白い!以前買った本への魅力もうなぎ登りです。これはこのタイミングを逃してはならないなと思い本を手に取り、最後まで読み切ってしまいました。

やる気というのは自分でコントロールするのは難しいのですが、時折こうして行動そのものや結果に対しての魅力が高まる瞬間が訪れることがあります。こういう機会は是非活かして欲しいところです。

さて、以上3つの工夫について簡単にお伝えしてみました。なるべく簡単に行動するために、他にも色々な工夫の仕方があります。下記の記事にもまとめてありますので、もし良かったら読んでみてください。 www.behavior-assist.jp